農暦六月廿一日。大暑。元朗で白色テロの愚連隊が本晩までに11人検挙される。そのうち１人は香港空港で離港のところ押へられた由。「黒警」と呼ばれる香港警察もこの白シャツ分子摘発だけは本腰入れぬと大変なことになるところ。
中共にとつて、この国章がどれほど大切なものなのか、日曜晩以来つくづく感じ入る。元朗のニュースなど２面がやっと。今朝の大公報も「荘厳国徽依然高掛」と、つまりこの「国徽掛けるに能はず」となつたら国の終ひ。中華人民共和國國徽_國情相關_中國政府網
中华人民共和国国徽的内容为国旗、天安门、齿轮和麦稻穗，象征中国人民自“五四”运动以来的新民主主义革命斗争和工人阶级领导的以工农联盟为基础的人民民主专政的新中国的诞生。
日本は法律で国章定めてゐないが旅券の表紙を見ての通りで皇室の菊の御紋（十六八重表菊）が慣例的に国章に準じて扱はれてゐる。ところで、この「徽」の字をつい「徴」の異字体のつもりで「国徴」とアタシは使つてしまつてゐたが紛れもなく異字。いずれも「しるし」だが「徴」は漢字辞典でも「彳」で「徽」は「糸」に部類されてゐた。「しるし」でも「徽」は良い、美しいの意もあり。日本語で使ふのは「徽章」くらゐだが「徽言」とか「徽音」とか「良い言葉、格言」。
話を中聯辦に戻すが冒頭の大公報トップ記事にある通り香港中聯辦主任の王志民が昨日朝、一先ず応急処置終はり汚れ落とした中聯辦の正面玄関で記者会見。
中聯辦主任王志民表示，昨晚香港部分激進思維分子圍堵中聯辦，向國徽投擲雞蛋、墨水，塗寫污辱國家的字句，行徑惡劣，性質嚴重，予以最強烈譴責。
と述べてゐるのだが、それが今朝の左派メディアでは「昨晚香港部分激進思維分子圍堵中聯辦」の発言が「前天晚上香港部分激進示威分子圍堵中聯辦大樓……」となつてゐる（大公報）。やはり「過激」とはいえ「過激思維＝思想分子」なんて言つてはゐけない。王志民、また北京中央から「了解不足」と叱られるか。或は単に「思維」（sīwéi）と「示威」（shìwēi）の聞き違ひか。
RTHK（香港電台）はBBCやNHKと同じ公共放送。NHKのやうな受信料は徴収せず香港政府の予算で運営されトップの人事権も政府にあるがNHKのやうに露骨に自民党の圧力は受けない。時に反政府的な報道色があると中共や建制派に批判されるがRTHKはジャーナリズムの矜持として自主路線貫いてゐるのは立派。ラジオは独自チャンネルありテレビは民報２局が固定枠でRTHKの番組流していたが何年か前にテレビのデジタル放送化で31、32といふRTHKチャンネルが出来てゐた。あまり意識してゐなかつたが32チャンネルが６月からのデモや「暴動」を編集一切なしで生中継したり「放送姿勢が政府、中共寄りで偏向」とされるTVBに対して31チャンネルも報道番組あり、これを見るやうになる。この報道局でかなり注目されてゐるのがNabela Qoser（利君雅）記者。昨日、林鄭市長の記者会見で執拗に林鄭に食い下がつたのが彼女。パキスタン系で香港土生のため広東語も流暢。NHKにRTHKのやうな確固たる自由な報道の理念もなければ、かういふ記者も出てはこない。
香港警察トップが「警察と黒社会は共存していない、警察を信じてほしい」と言つても白シャツ愚連隊と警察が仲良くしてゐる映像までネットに流出（こちら）。
香港警察への信頼はまさに地に墜ちたり。
日曜晩の元朗騒乱。白シャツ愚連隊と昵懇ぶりがビデオで流された立法會議員の何君堯、昨日は町場の議員事務所が毀されたが今日は元朗近郊にある父母の墓まで荒らされる。
いくらなんでも「やりすぎ」と思ふが白色テロへの怒りはそれほどまでに高騰。
この墓荒らしでもなければ見つからなかつたか広大な墓地の６割くらゐだらうか配水庫の公共地を侵食。新界や山地では散見されるがダメはダメ。
李鵬死去。天安門事件から30年。英国で畏友Ｄ君が香港の政治不安の上に英国ではボリス＝ジョンソンが首相に選出といふなか李鵬死去に“Some good news today at least. The butcher of Tiananmen is dead...”と。彼の友人が中英関係に絡み“Maybe they can now start reversing the verdict...or maybe Boris Johnson will go to the funeral and not come back...”と。英国人の皮肉はやはり上手い。
