富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-07-25

農暦六月十三日。晴。
愛媛県の中村知事が参内で豪雨被害につき天皇皇后にご説明。県知事はタクシーで坂下門に乗り付け歩いて皇居へ。さういふものなのか。さらに宮内庁との確認もあつてなのだらうがノーネクタイでジャケット。聖上も同じドレスコードで、と宮内庁と事前確認あつたのだらうが時代も随分と変はつたもの。今回の奏上は豪雨被害についてで愛媛に続き広島、岡山と続き両陛下は被災地御幸ご検討されるところ。気になるのは愛媛とへば中村知事の加計問題についての対応で両陛下も晋三マターでさぞや関心あるところ。中村知事に生々しい話はないとしても知事の沽券には陛下もさぞや頼もしく思ふところありのはずで以心伝心で陛下と知事には治国につき共有できる理念ありや、と察するかぎり。
▼ 『大江健三郎全小説』全15巻(講談社)の発刊に合はせたイベントで筒井康隆先生と対談した蓮實重彦先生が大江健三郎について実に見事な言ひ表しをしてゐる。

大江健三郎は、世界に対して、あるいは言葉に対してどのような姿勢をとるかということを本能的に心得ている。彼ほど言葉を自分の思い通りにしようと必死に操作しながら、しかしそれが思い通りにいかないことへの当然の苛立ちと脅えのようなものを生の刺激として書いた人はいない。

さう、さうなのだ。その通り。大江健三郎は生涯これに挑み続けてきた。たゞその仕事=小説を面白いと思ふか思はないか、といふこと。彼の若いころのその仕事には付き合へたし共鳴する部分もあつたが『万延元年の』あたりからアタシにはわからない、面白くないものに思へてしまつた。

“How Haruki Murakami novel Killing Commendatore got its ‘indecent’ rating in Hong Kong” SCMP(こちら
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