富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-06-02

農暦四月十九日。あつといふ間に6月になつてしまつた。昨晩の深酒で少し疲れてゐるが官邸で週末の書類整理。午後遅く湾仔。家人と待ち合はせTOTOのショウルーム参観。陋宅にて16年前に当時は香港でシャワートイレといへば黎明期でINAXが地元日系代理店で扱つてをり、それを使つてゐるがシャワートイレ部分は今でも正常に動いてゐるが止水管の劣化。香港の場合ちとややこしいのは香港のトイレ用水は海水の鹹水利用でお尻洗浄は海水では大変なことになるので上水道を利用。鹹水は塩分多く香港のトイレは劣化防止と簡単な排水管交換のためメタルは使はずプラスチック。だがINAXの日本から輸入のトイレでメタルな止水栓部分の劣化著しく緑青などついて内部もかなり動脈硬化でタンクに水がちょろちょろとしか貯まらず。本来であれば止水栓部分の交換だけで良いのだがINAXの純正でその部分を地元の代替にすると水道管を交換しないといけない、水道管交換するとタンク内部のパーツも交換しないといけない、INAXの純正のタンクは香港に当時の代理店は既に廃業でINAX自体が株式会社LIXILになり……で今回はTOTOへ。ひとまず機種だけ決めて代理店に連絡。銅羅湾のIKEAへ。浴室は不調がシャワートイレだけでなく洗面台前のミラーキャビネットも劣化。15年過ぎるとやはり住人と一緒でいろ/\老化。既存のものより少し大きめで16kgのセット抱へ帰宅して組み立て。意外と面倒で1時間ほどかかり取り付け。晩は大いに飲み早寝。
▼定期購読は最後の岩波『世界』6月号で笠原十九司憲法9条は誰が発案したのか」読む。米国お仕着せの憲法憲法9条GHQ案ではなく日本で首相の幣原喜重郎からの発案だつたといふ「事実」は自主憲法制定命の方々からはデマと避難されるところだが、この笠原先生の指摘によれば、そも/\帝国憲法改憲でよいといふ立場であつた幣原は〈國體〉としての天皇制の維持にあたり戦争責任すら問はれる天皇の「人間宣言」は必須として憲法戦争放棄謳ふことで軍統帥権もつ「戦争の権化」としての天皇を消滅させることで「象徴」として名目的に天皇が存続することも豪州や新西蘭等ソ連と同じく天皇制廃止を求める国々も納得させることができるといふもの。しかし畏れ多くも〈國體〉に触れる憲法案を一臣の幣原が敗戦後、陸海軍両省廃止されたが旧軍部隠然と勢力残存で陸海軍大臣もゐる内閣で唱へるに能はず幣原はマッカーサー元帥への直訴で元帥の理解得て天皇制見直しと戦争放棄GHQからの「押しつけ」として提示する以外に実現できぬといふ考へ方。これは実に興味深い。自主憲法制定派は〈國體〉の維持を唱へるが敗戦後、実際にそれをするために幣原の戦争放棄と一体となつた天皇制存続といふ案により形は変へながらも戦後の〈國體〉が守られたといふこと。よつて天皇は護憲の立場をとることもよくわかるところ。
▼新宿三光町の花園万頭が倒産。子どもの頃から「ぬれ甘なつと」大好きなアタシ。花園万頭に行つたのは、それでも昭和の末に築地H君とが最後。新宿はデパ地下を除くと、もう残るのは追分だんご本舗くらゐ?