富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東都大雪

fookpaktsuen2018-01-22

農暦十二月初六。朝から鳥居坂旅寓でミーティング予定。朝少し小雪舞ふ。午後から雪になるといふ予報で今日は出かけずがありがたい。昼から降り出した雪は予想以上の勢ひでつもり始め2時間も経たぬうちに一面の銀世界。此処の名庭はまるで金澤兼六園の如し。国会中継では首相の所信表明のあと4大臣の方針演説続くが余りに形式的な内容で野党からヤジすら飛ばず粛々と済ませ散会。なんと楽な国会議員の仕事。除雪作業や雪のなか宅配便配達に従事する人たちの方が厚遇されるべき。虎ノ門に用事あり。六本木まで歩き日比谷線で神谷町からも歩くか、と覚悟して旅寓を出たら東洋英和の前で運良く客降車の円タクあり。運転手に雪の日の仕事についていろ/\聞く。給与は営業額のマージン基本なので悪天候のなか事故でもあれば会社責任となるので会社からは帰社命令が出るが1日の稼ぎが減れば打撃は自分の減給で休みたくはなし会社の指示に背き運転続ければ悪天候で客は多いが事故でも起こせば自己責任で辛いところ、と。虎ノ門での用事済ませ虎ノ門ヒルズへで軽く飲食とするが其処も人々が早々と帰宅する影響で予約も取り消し相次ぎ閑古鳥。美味い日本酒を熱燗でいたゞき〆は冷酒で。外に出るとまるで札幌のやうな虎ノ門ヒルズ。かなりの積雪。神谷町まで雪を踏みしめ歩く。日比谷線で六本木。この雪のなか六本木ヒルズを抜け横道から奥麻布に入りバーHに一飲。
暗闇の坂の麻布に雪の酒
飲み終はり暗い夜道で4、5名の旅行客が雪のなかトランク引きずり悪戦苦闘中。辿々しい日本語で「日本人ですか?」と尋ねられ香港からか?と思って広東語で答へたら台湾からの若者たち。一人が少し日本語ができる程度で中国語で返すと安心しきつたやうに語るは東京に着き予め民泊を予定してゐて、このあたりだが場所がわからず施設側に電話しようにも要領を得ない、と。電話番号を聞き先方に電話するとガイジンで、どうやら賃貸マンションを民泊にしてゐるらしい。その者の居場所は別でお迎へもできない。住所を聞くとすぐ近くのマンションで玄関の暗証番号を聞き郵便ポストのコードを聞き中にあつた鍵を見つける。民泊も大変。偶には人助け。平地に比べ積雪のひどい鳥居坂を登り旅寓の入り口の坂はさらに大雪で難儀して遭難せずに帰る。

⇧(これに続く三谷先生のコメント)日本の権力形態は今後「立憲的独裁」つまり専門家支配に進むのではないか。憲法では立法権と行政権との結びつきが制度化されるなか首相の過剰な権力行使を抑制し立憲主義からの逸脱を防ぐことが重要です。⇧この方らしい、といへばさういへる最期か。思想的には(失礼だが)新左翼からの転向で破綻と思へてしまふやうなところあつたが保守とは何か?といふ点では共感するところあり。妻に先立たれで江藤淳先生のこと思ひ出す。