富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-01-18

農暦十二月初二日。暖かな日。夜暗くなつて官邸で庭に出ると賑やかな虫語。まだ陰暦では師走迎へたばかりだといふのに虫たちは啓蟄と覚へたか。1995年のNHKの香港特集番組がBSで解雇番組で放映あつたことを家人が見つける。懐かしきお姉さん方。何人もお元気で今も現役ばり/\の仲良くさせていたゞゐてゐる方多いなかアグネスチャンとこの番組の進行役を元気にしてゐた羽仁未央さんの、あのお母さん譲りの可愛らしさと笑顔が懐かしく涙出てくるほど。番組の最後で当時この番組に出演のお姉さん方の近況伝へる冒頭で未央さんの数年前の半百での他界に言及。あらためて哀悼。
週刊文春の見出しが「ヤバい」と築地H君の言に何かと思へば対韓政策をして晋三官邸中枢は「文在寅政権を対手とせず」と。瞬時に思ひ浮かべるは近衛の「国民政府を対手とせず」。H君曰く、これによつて交渉による日中戦争収拾の機会は失はれ、出口をなくした日中戦争を打開するためについに荒唐無稽な対米戦争決意に追ひこまれた我が国。つまり近衛声明は「栄光ある大日本帝国を滅亡に導いた転落の入り口」。近衛声明の失敗は歴史を紐解く迄もなく当時の政治家にとつても十分に認識されてをり宇垣一成は近衛声明の修正を条件に近衛改造内閣外務大臣に就任して事実上の声明撤回のための外交交渉を担当。つまり近衛自身が失敗をよく承知。帝国外交の失敗の象徴が如きこの文言を、さすが文藝春秋、何となく「威勢よく決然として格好いゝ」ワードとしてひけらかす。恐るべき無知と無神経。亡国。