富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-05-13

農暦四月一八日。周末の官邸での書類整理。龍井の新茶を一服。夕方、家人と湾仔のGreen Houseで待合せ。ここはMallory街に面した古い集合住宅で取り毀し直前だつたが舊建築保存の機運で急きょ躯体のみ残し補強されComix Home Baseといふ動画関係のアート施設になり元々の建物が漆喰を雑な緑に塗られてゐたことから通称で“Green House”と呼ばれてゐたのは同じ湾仔のStone Nullah Lane(石水渠街)に藍屋と呼ばれる古い建物が現存のため。Le French May(こちら)でVéronique Desjonquèresといふ画家とGaëlle Schoebelといふ彫塑家の個展(こちら)を見る。二人とも在港のフランス人で後者の素朴な人物像も味があるが前者のランタオ島は大澳の風景画は興味あり。実際にそれを見たらトタンの臨時家屋だが微妙な明るい中間色で、その風景を描いてゐる。一枚すでに売れてゐたが運河に面して蓮花茶楼の建物を中心とした作品あり「ここはよく行くレストランで」と画家本人と話す。トラムで上環。驟雨。Hollywood Rdに面した画廊でもLe French May関係の写真展いくつかあり。ROUGE Ephémère Art Galleryで“LoR” Laure Simoneauといふ人が針金細工の作品を販売しており(こちら)照明を照らすと壁にその細工の影絵が映る。 鳥の細工のが可愛らしく陋宅居間に置かうと一つ贖ふ。摩羅上街 (Upper Lascar Row、通称「古董街」)の入り口の崖のところにもう十年来の野良猫がゐる。今日も雨の中、軒下でじっとしてゐる。黒と白の姿がホルスタイン牛のやうなので勝手に「ウッシー」と呼んでゐるが上品な人懐こい猫。野良で誰か餌はくれるのだらうが逞しく生きてゐる姿は見習わなければならない。皇后街の熱食中心でインドネパール系の料理屋に食して帰宅。
▼世の中はもはやぐちゃぐちゃ。いつの世も問題はいくつもあるが「まるで考えない」のが今。

  • 「テロ対策」や「安全安心」は一種の「思考停止ワード」。それに「五輪」が加わって、「仕方ないんじゃない」っていう雰囲気を感じる。でも本当にそれでいいのだろうか。

江川紹子女史(こちら)。 「街のあちこちに監視カメラが取り付けられメールやSNSで個人情報を頻繁にやりとりする時代。監視そのものに抵抗がない人が増えたのかもしれない」と。確かに。天皇退位の特例法案は「菊のタブー」で国会論戦の避けるため粛々と与野党で特例法案準備されるが退位理由記した第1条に国民が「天皇陛下のお気持ちを理解し、共感している」と入れるとか(こちら)。これはズルい。まるで国民が「この一代限りの特例法を支持した」かのやう。世論は一般的に今後の天皇退位も女子の就位も容認だらう。 しかも自民党内では官邸と、これまで憲法審議してきた議員団体との対立避けるため官邸は「高村氏主導で」と圧力(こちら)。かつて自民党首相候補といへば谷垣、高村の英才だつたが谷垣君は自転車で転け、高村君は安保法制、天皇退位そして改憲でも晋三にいゝやうに使はれる顧問弁護士の役回り。