富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-12-21

農暦十一月廿三日。冬至。文章綴るのに改行とか余計な句読点とかが嫌ひ。段落なるもので一文字下げるのもよくわからずにゐたが岩波 『図書』十一月号で宗像和重が「漱石の一字下ゲ」で書いてゐる。漱石が原稿用紙(松屋製)使ふやうになり万年筆で原稿を書き『猫』の途中から段落の行頭に「一字下ゲ」の指示が入つたといふ。段落は鷗外や一葉に見られ始めるが行頭の一字下ゲはまだ見当たらない。一字下ゲは欧文の由来で漱石が日本の小説にそれを持ち込んだのではないか、と。その一字下ゲも宗像氏のいふ通りで横書きのメール普及等で急速にその習慣は姿を消してゐる。日本語の記述でいへば漱石時代末期。この岩波の『図書』という冊子(六十数頁で雑誌といふより冊子)は読むと本当に面白い記事ばかり。シンゴジラよりもモスラを、と畑中章宏。『モスラ』の原作「発光妖精とモスラ」で主人公(福田善一郎)の名前は、この話を合作した中村真一郎福永武彦堀田善衛の名前の組合せだとは寡聞にして知らず。晩に湯豆腐。今日は久方ぶりの雨。
▼右上に掲示の成報の1面トップの巫山戯た記事は行政長官CY梁が行政長官辞めた後も初代長官の董建華が北京中央の要職(政治協商会議副主席)にあつて頑として不動の石ならば中央の公職もなく待ち惚け、と。