農暦十一月十八日。とても気分転換気分でiPhoneが６のまゝだつたが蘋果は旧機買取があるさうで早晩に銅鑼湾の蘋果商店に寄るとiPhone買ふ客の行列どころか店員が May I help you?と寄つてくる程でiPhone7もPlusの一部の機種が品切れな以外は在庫ありといひ、そろそろ２年落ちの６でも査定でHKD1,460になるといふ。そこでiPhone7の普通の黒に。本当はPlusのほうが老眼には易しいのだが。炮台山。家人と〈麺樂〉に飰す。２年前まで銅鑼湾の〈安半〉にゐたＭ氏の営む拉麺と日本料理の肆。たしかに酒肴が美味いとなかなか最後に拉麺まで辿り着かぬのもわかる。
▼香港行政長官選挙にレジーナ葉劉淑儀が正式に立候補。前回選挙では本選に必要な選挙人数集まらず。今回の候補者の中でも政治家、優れた官僚としての力量等ではトップのはず。だが「好かれない」人柄なのが難。
▼最近「高齢者による自動車事故」報道多く、また「激増する少年犯罪」の類ひの非常識か？と思つてゐたが朝日新聞で神里達博教授が、これについて「統計と報道イメージに差」と書いてゐる（こちら）。まづ自動車事故による死者の数だが過去最多は1970年の1.6万人で過去20年にわたりほぼ毎年現象し昨年は４千人余。それでも65歳以上の年寄りが自動車事故で死亡する数は増えており半数は歩行中。
- 最近の報道では「加害者としての高齢者」が強調される傾向が強いが現実のデータを見ると依然として被害者としての高齢者が多いことが分かるだろう。
で、現実にだれが死亡事故を起こしているか、だと最も率が高いのは16〜24歳の若者。全世代平均が10万人あたい4.4件に対して若者は7.6件。
- 65歳以上は5.8件で平均より高いが最も高いわけではない。高齢者層はやや事故を起こしやすい傾向があるものの他の年齢層と比べて著しく運転が危険であるとまではいえないだろう。
高齢者の事故が目立ってゐる理由のは高齢者全体の人数が増えてゐから。但し更に年齢階層を細かくみると80〜84歳は11.5件、85歳以上（やめてくれよ）は18.2件となるが16〜19歳の若者も14.4件で、この無謀さも怖い。そして最も死亡事故を起こしてゐるのは40〜44歳。ではなぜマスコミでまるで煽るやうに「老人運転による交通事故」が記事になるのか。
メディアには議題（アジェンダ）設定機能というものがあり「今どんなことが問題か」を指し示す役割がある。そしていったん社会的なアジェンダになると普段ならば優先順位が低いニュースでも積極的に報じられるようになる。今回も痛ましい事故が起こったことによりアジェンダが「高齢ドライバー」に設定され、それに適合する報道が増えたと推測できるのだ。
ジャーナリズムは社会問題を議論する場を担う役割もあるし高齢者が関わる事故が増えていることは事実だ。（略）悲惨な事故が続いているのも確かである。従って今後もさまざまな安全対策を講じることは当然重要である。ただ同時に私たちは時々立ち止まって別の角度から自らの思考を点検することも忘れるべきではないだろう。
御意。神里先生はそして「理性と感情のバランスをとり社会全体にとって良い方向性を模索していきたいものだ」とこれを結んでゐるが、21世紀はこれはもはや無理かもしれない。
▼沖縄でのオスプレイの事故。
不時着だか墜落だか、在沖縄米軍の四軍調整官がオスプレイについて事故は誠に遺憾、謝罪としつゝ「機械システムの問題ではなく（空中給油機の）ホースが切れたことが原因だと理解してほしい」って余計にヤバいだろ。機械システムなら簡単に修正できるが給油については構造の問題。蜂や蚊の空中の交尾でも羽根が邪魔しないやうにできるのに。
@fookpaktsuen: 你的子女和社會 - 陶傑 URL
