富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

憲法記念日

fookpaktsuen2014-05-03

農暦四月初五。憲法記念日。朝日のオピニオン欄に小林信彦さん(81)が「ずっと戦争の中にいた少年がみた敗戦と戦後 新憲法素直に受け入れ 「列強国」入りを望む政権の危うさ」と見出しで長文の寄稿。の作家が喜劇のことを書いても、隠居もしてゐられなくなつたのが今の時代。天気予報は雨なのに快晴。明日までにお届け予定のお針仕事終はつてをらず休日仕事。晩に尖沙咀。バーWに独酌ののち鹿鳴春京菜。長野K氏令嬢Mさんと昨秋結婚の新郎S君、競馬で香港で知己のT君S嬢ペア、水曜のハッピーヴァレー競馬場で邂逅の競馬ライターC氏らで会食。北京填鴨はやっぱり空き腹の方が美味いよね、と冷菜で海蜇だけ注文して待つこと75分!で北京ダック登場。混んでゐて北京鴨注文の卓はどこも待たされてゐて仕方ないが若い=四十代の黒服と老給仕の慇懃無礼な態度に言葉もなし。昔からの老黒服は丁寧だが店の混雑に着いてゆくのも精一杯で十時ラストオーダー、十一時閉店前の片付けの横柄。
朝日新聞で続く長谷部康男(早大憲法)と杉田敦(法政、政治)の対談が面白い。憲法記念日にちなみ憲法論議。長谷部先生の砂川判決は日米安保の合憲性についての判断、日本に個別的自衛権は認められるが憲法9条によつて持ち得る防衛力には限界あり、その不足補ふために「平和を愛する」米国と安保条約締結、因つて安保条約も米軍駐留も9条に違反せぬ、といふのがこの判断で、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」はさういふ意味、晋三の集団防衛権での「国民の安全、命を他国の人たちの善意に委ねる」といふことに非ず、と。ところで昨日の朝日は一面トップで晋三が「集団的自衛権の行使容認を「政府方針」に」として「内閣全体の了解得ぬ首相見解で政府方針とするのは集団的自衛権閣議決定譲らず」と報道してゐたが今日の毎日は政府は集団的自衛権行使を「放置すれば日本が武力攻撃を受ける」事態に限定、自衛隊を他国領土、領海、領空には原則として派遣せぬ方針を決め慎重論根強い公明党との妥協点探る、と書きぶりは一瞬、政府寄りのやうだがリードの最後で「憲法の「平和主義」はかつてない転換点に立っている」とまとめ、この記事に続き9条改正反対51%で前年度比14ポイント増といふ記事もあり。毎日新聞は記事はいゝのだが読まれてゐないのが残念。