富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-02-26

農暦正月廿七日。今年九月だかに香港で開催予定されてゐたAPECが北京に開催場所変更の由。アジア通貨危機の後、SARSの後、香港の経済復興に何かと手を差し伸べた北京中央も香港の度重なる勝手(普選、佔領中環等々)にさすがに「いい加減にしろよ」でAPEC取り上げとはあまりにわかりやすい(笑)。かなり久々に晩に直帰。荃湾民豐の餃子茹でて飰す。朝日新聞『Journalism』誌二月号読む。毎日新聞沖縄返還密約暴いた西山太吉氏(1931〜)の「秘密法で「真実を知り得ない国」にメディアは権力監視の役割確認を」は正論。
ラブレーの『ガルガンチュワとパンタグリュエル』といへば渡辺一夫訳だが、これを襲つた新訳の宮下志朗氏が紹介してゐる渡辺一夫日記の一節。昭和二十年六月十二日は

何千何万という民家が、そして男も女も子供も一緒に、焼かれ破壊された。夜、空は赤々と照り、昼、空は暗黒となった。(略)戦争とは何か、軍国主義とは何か、狂信の徒に牛耳られた政治とは何か、今こそすべての日本人は真にそれを悟らなければならない。

と、この一節、晋三ら狂信の徒に政治牛耳られる今も読むと痛切。戦時中にありながら、この渡辺一夫の理解は真っ当、だが、これに続く一節が「しかし、残念なことに、真実は徐々にしかその全貌を露わにしない」で、また「知識人の弱さ、あるいは卑劣さは致命的であった。日本に真の知識人は存在しないのである」(三月十五日)と、この戦時下であつたから、といつて真っ当な判断できぬ、といふ弱き知識人。加藤周一も通じるところもあり。

この小さなノートを残さねばならない。あらゆる日本人に読んでもらわねばならない。この国と人間を愛し、この国ありかたを恥じる一人の若い男が、この危機にあってどんな気持ちで生きたかが、これを読めばわかる。

って(六月六日)……なんで、こんなにか弱い立場なのかしら。こんなくよ/\してゐるなら、なんでレジスタンス運動もできなかつたのかしら、と。それだけ
▼孫引きだが岸田秀反日嫌韓の応酬 日韓関係を「ものぐさ精神分析」する」(正論3月号)より。

朝鮮人・韓国人の恨みには、合理的とはいえないにせよ、それなりの深い特殊な理由があること」を認めた上で、彼らに「日本人がどう見えているか」を考慮すべきである。