富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-01-15

農暦十二月十五日。夕方、中環の高級オフィスビルにある一流のビジネスコンサルタント会社での打合せに末席汚す。設への立派な会議室、机上にはGodivaのチョコ、高級クッキーと山盛りのマスカット葡萄。珈琲もまぁ美味しいこと。相手の名刺をもらふと香港の某電力会社の役員、某大手デベロッパーのCEなどまぁお歴々ばかり。会議とはかういふ点を確認して、かういふコメントをするのか、とただ/\学ぶところ多し。1時間きっかりで、これほど物事が進むのか、と敬服。百年ぶりにFCC地下のジム。コンパクトで使ひ勝手のいゝジム。トレッドミルで5kmだけ走る。このジムの問題はジムルームを出ると酒場であること(笑)。当然のやうにバーに吸い込まれハイボール二杯。帰宅してミートソースのパスタ。久々のワインでRobert MondaviのCab Sauv 10年飲む。十五夜の月が美しいとZ嬢に聞くが寒くて外に出る気起きず。
▼本日、行政長官・測量梁の新年の施政方針演説あり。とくに目立つた点もなく低い支持率回復の「派糖」=キャンディを配る、も無し。香港島での限られた土地での都市開発に当初の公営団地建設から手つかずのまゝだつた華富団地の再開発に言及。
都知事選、朝日、毎日、都は細川参戦歓迎。日経が「原発は最大の争点か」と編集委員・谷某の論説記事。「原発が立地しているわけでもない東京の知事選で「脱原発」を最大の争点に位置づけていいのだろうか。まるで「都知事には原発政策を左右する権限がある」と、有権者に誤解や幻想を与えかねない」、肥後の殿様もヘンな野武士も「首相経験者なのだから国政に出て訴へよ」と。政治面の記事では「小泉元首相が波乱要因になってきた」とさすが所詮、株屋相場師の新聞たる日経さん。読売も読売で必死。

都知事選で脱原発を争点にしようとしているのは、都が東京電力の第4位の大株主であるという理由からだ。都は1.34%(昨年9月時点)の議決権付き株式を保有し、株主提案権を握る。ただ、東電の株式の50.1%は原発再稼働を目指す政府の原子力損害賠償支援機構保有しており、都が脱原発を提案しても実現可能性は低い。脱原発の争点化には「有権者の心をくすぐるため」(自民党幹部)といった見方が出ている。

と恥ずかしいほどに原子力再稼働贔屓。現行の自民党政府は確かに原発再稼働だが脱原発掲げる政党が与党になつた場合は、その脱原発政府が50.1%を持つことになるのに。そも/\原子力損害賠償支援機構ぢたいは原発再稼働と関係ない団体のはずなのだが(嗤)。それにしても国政が晋三首班で一強体制で崩しやうがないからこそ都知事猪瀬某の失態で、この転機訪れるとは政治は本当に一寸先は闇。
都知事選話拾遺(その2)舛添君が立候補表明が都庁といふのがいかにも彼らしいところ。細川&小泉共闘で天丼食べたのはマスコミは挙って「都内のホテル」で一部の新聞が「港区の」と報じたなかで「ホテルオークラ」と報じたのはスポニチと日経の政治面くらゐ?、オークラだと天丼は食肆・山里かしら。細川&小泉がアタシが舛添君知ったのは栗本センセの『パンツをはいたサル』の頃に同じカッパブックスで新進気鋭の東大の若手政治学者として舛添君が『自民党が野党になる日』出したときで当時は中曽根大勲位の御代、自民党が野党になる時代なんて来るのかしら、と思つたが、それを実現したのが肥後の殿様で、自民党をぶっ壊すとか雄叫びが奇人の野武士、で下手すると殿が都知事当選だと政界再編成となりホントに「自民党をぶっ壊す」も前回の政権交代よりマジに「自民党が野党になる日」が来たりして。
都知事選話拾遺(その3)公明党の山口さんは脱原発が「都民の関心とずれている」と、あくまで自民党との信濃町心中か。朝日だつたか毎日だつたかしばらく前に公明党は「結党50周年を、安倍自民党の補完勢力として迎えるのか。そもそも、なんのために与党にいるのか。公明党は本気で考えるべきだ」と社説で書かれてゐたが。ウツケン氏が脱原発での細川陣営への一本化は否定しつゝ「当面、一本化考えられぬ」といふ表現も微妙。
▼日経の小澤征爾私の履歴書」。巴里で色気づいた話や巴里からボストンに向かつた小澤青年を空港で迎へたのが広中平祐青年だつたとか、そんな逸話が『ボクの音楽武者修行』にないネタで面白い。タングルウッドで出会つたウルグアイの若い指揮者(ホセ=セレブリエール)がマーラー交響曲を勉強してゐて、当時マーラーがほとんど演奏されてをらず小澤青年もマーラーの名前知るくらゐで聴いたこともなかつた、と。面白い。