富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-08-01

農暦六月十四日。午後はお休みいたゞき尖沙咀。Z嬢と尖沙咀のリトル서울、キムバリー街の南대門に昼を飰す。食肆の名、南大門の何故に「大」だけが「대」とハングルなのか。「南大門」といふ名で他に登記でもあつたのかしら。酷暑と最悪の大気のなか九龍公園の香港文化探知館(旧歴史博物館)で「歲月流𨍭尖沙咀」なる展覧参観。史料提供がペニンスラホテルやMTRでかなり見応へあり。レゴブロックの尖沙咀の昔と今は圧巻。光化学スモッグかしら視界も数キロで香港島も霞に隠れるなかスターフェリーで中環。市大会堂の傍らにあつた旧市政局の建物をさらに改修したことで市大会堂の構図をば台無しにした展域舘(City Gallery)にて「獨特的香港缩影」展。精緻な模型による昔の香港の町並みや店舗の再現。この特別展は面白いが、この建物、香港政府の都市計画や環境対策などをPRするための施設でPRは勝手だが必要以上のハイテクぶり(見せかけ)に呆れるばかり。普通のパネル展示で済むものをいちいちデジタル映像化してパネルタッチやゲーム感覚で巨大な装置で遊ぶことになる。そんなことで政府の公共事業の正当性をアッピールするとは愚策極まりなし。
▼「歲月流𨍭尖沙咀」で重慶マンションの完成予想図が素敵。1960年に確か建立だが当時は尖沙咀界隈で高層建築といへば今のインペリアルホテルとMirador Mansionくらゐでペニンスラホテルも旧館は低層建築。重慶マンションが当時どうだけ高層の近代建築だつたか。しかも敷地の低層階の上にいくつもの棟を並べる画期的な建築で各テナントの採光など高慮されたものだが正直なところ今では内側に面した窓などとても開けやうといふ勇気が起きない、開けてしまふと「開けなければ良かつた」と思ふほど「見たくないものを見た」なのが事実。香港サイドが英国的なのに対して九龍の尖沙咀葡萄牙系やインド系など非英国系が開発して独特の都市の風景。