富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

ほぼ日手帳の蝶番さやうなら

fookpaktsuen2012-01-29

農暦正月七日。今年から糸井重里氏謹製ならぬ燻製?の「ほゞ日手帳」使つてゐるのだが実際には昨年12月から使つてゐて使い勝手は実に良い(個人的には「今日の一言」が凄く邪魔なのだが……)。いろ/\「書き込もう」といふ気持ちになるのがさすが糸井コンセプト。毎日/\文庫本大の1頁に極細の万年筆であれこれ書き込んでゐるが細かすぎてアトで読み返すのも億劫なほど。で、それはいゝのだが気になるのは誰彼の前で手帳開くと「ほぼ日ですね?」と言はれること。「えゝ」としか答へやうがないが。星巴とかで向かひ合つてお互ひ「ほぼ日」をテーブルに置いて打合せしてゐると何だか同じ茶道の流派のお手前のやうで、確かにこれは80年代とかファイロファクスの手帳でもあつたことだがファイロファクスはあまりに事務的で共有感といふほどのものはなかつたが「ほぼ日」はどこか「ほのぼの」してしまふ。そこが狙ひなのだらう、糸井式の。で、なぜわかるか、といふと筆記具を挟む独特の蝶番(糸井氏はこれをバタフライストッパーと呼ぶ)があり、これで誰彼この蝶番を見て「ほぼ日ですね?」とわかる。この蝶番を厭ふユーザーは文庫本カバーでもけっこういゝ素材やデザインのものがあるので、それを使へばよいがアタシの場合は香港で文庫本カバーなんて無いし実はこの蝶番がアタシには邪魔なのだ、と認識する前に「ほぼ日」手帳の黒皮製カバーを通販で購入してしまつてゐたのだ(最初に購入したのはナイロン製)。で、この皮製カバーぢたいは気に入つたので「蝶番さへなければ」と思ひ丁寧な仕事できちんと蝶番部分の皮のみ取り外して木工用ボンドで補修。それが今日の朝イチの仕事。かうすれば少なくとも手帳を開くまでは「ほぼ日ですね?」とはわからない。昼前から夕方まで官邸でご執務。夕方に按摩して帰宅。麻布の酒屋で求めた酒粕でお汁。NHKスペシャルヒューマン なぜ人間になれたのか」眺める。ホモサピエンスの投擲機の発明がクロマニヨン人をば絶滅させ人類はアフリカから世界各地に人類が移住していくことになつたが移住する新天地がなくなつたときに本来は150人が生理的限界であつたはずの集団生活の社会が大規模化せざるを得なくなり、そこで社会の掟が必要となり掟破りがないやうに監視する立場が生まれ、その監視する者には武力が必要で、それまで狩猟のためにあつた飛び道具が人間の相互監視に用られるやうになつた、と。アメリカ原住民のホープウェルと呼ばれる集会場所がその典型で違つた部族の者たちが物々交換や市を立てるこの場所は円形の土地の周囲に土濠が掘られ、その外に築かれた円周の崗から集会所を見渡す監視人が立ち手には投擲機を持つて……と。さう考えるとアタシらの社会といふのは常にさうした「公安」が監視することが必然といふことになる。今日の画像は紫浪の上野東照宮