富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

香港ワイン&ダインフェスティバル

fookpaktsuen2011-10-27

陰暦十月初一。昨晩は帰宅して潰れるはづが競馬のテレビ中継見始め結局最終レースまでお付き合ひ。第4レースはホワイト騎手騎乗の馬が一番人気。このレースからホワイト騎手の四連勝なり。それも続くレースは17倍⑧、6.3倍③、8.6倍⑤(丸数字は人気順)と人気薄の馬で勝ち続け普段ならホワイト好調だと続く騎乗でオッズ下がるが、さうならぬほど駄馬での勝利。恐れ入谷の鬼子母神。アタシはホワイトは一つも選べず復勝で三つ取りとん/\。さて本日。多忙のなか早晩に京都B氏と九龍站で待ち合せ西九龍で香港ワイン&ダインフェスティバル。開幕式あり午後八時までのVIP入場。午後八時からの一般開催との違ひはワインとフードの引換券無料でいたゞけたことで、それに空いてゐる。ワイナリーによつては引換券など受け取らずのワインお振る舞ひもあり。中国の怡園(Grace Vineyard)の代理店の方と歓談。フードもかなり出店あるが上納金はHK$3Kださうで今晩から四日間の晩方開催では儲け出すのも容易ならず宣伝効果もどれほどのものか。フードは引換券一枚でつまらない焼き鳥一串の某大手スーパーもあれば印度料理ゲイロードはちゃんと一人前の料理供すところもあり。Amexは上客相手に専用のテント張り其処は引換券なしで飲み食ひ。二時間でかなりいゝ気分でB氏と勢ひづき送迎バスで尖沙咀に往きバーB。知己のバーテンダーU氏仕切る店でアタシは初めて。バーで勝負か、と思つたが食事も供してをりそちらでかなり多忙なダインバー風。どうせなら、と近くのホステスゐるバーHにご挨拶。三更になり帰宅の途につくが銅鑼湾で降りてしまひバーB。但しアタシはラテン語ならaqua vitae(生命の水)つまりお冷や一杯。睡魔に冒されうと/\で皆さんに暇乞ひ「早退」で深更に帰宅。
▼作家の北杜夫氏逝去。享年八十四。アタシは中学のとき当然のやうに新潮文庫の「ドクトルマンボウ航海記」で杜夫さん初めて読み世間の評判ほど面白いとも思へず。それが高校生になつてからか「夜と霧の隅で」読み「これがあのドクトルマンボウか?」に驚く。「たちこめた夜霧のせいばかりではなかった」の冒頭のあの書き出し。この二面性。で「楡家の人々」を読むことになるのだが「楡家」はその小説ぢたいよりも、これに触発されて母も読んでゐたマルタン=デュ=ガールの「チボー家の人々」を読むことになりアタシでも多感な時期であつたから感じ入るところいろ/\あり。友人との交際上もいろ/\あり。瞳さんの「血族」も面白かつたのはこの頃。杜夫さんといへば「チボー家読んだアトはオンタイムでは「鬱だ、鬱だ」のエッセイばかりで「鬱だ」と言つてをられゝば原稿料が入るやうに見えてうんざりもしたが小説以上に、当時のTBSの「素晴らしき仲間」で狐狸庵先生と佐藤愛子さんとの鼎談は面白かつた。何かのエッセイで「どうしても & が上手く書けない」と書かれてゐたので葉書で、アタシなりの & の書き方を書いたら丁寧に返事をいたゞいたことあり。