富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

北韓三尖子入讀港大

陰暦十二月初六。大寒だが香港は気温摂氏二十度、で最高気温三度上がり多湿で蒸して、これぢやまるで香港特有の憂鬱な春。あまりに馬鹿/\しひ判断に遭遇し辟易としつゝ晩遅く帰宅途中、無風で湿気が顔のまわりにこびりつくやうで不愉快。バスを待つ間に路上で麦酒立ち飲み。やけに美味。サンミゲル一缶がHK$6=72円ぢや日本の「麦酒も飲めない」発泡酒で我慢の麦酒党の方々に申し訳ない。
二所ノ関一門での貴乃花派造反。派閥の内紛は驚かぬがこの混乱受け持ち票18で候補者枠一の時津風一門が12票持し枠一の高砂一門の協力得て票の分け合ひ、で時津風候補者二名擁立で当確。貴乃花親方当選阻む。なんて素敵な協力体制。政党もこの相撲協会の票配分の見事さの爪の垢でも煎じて飲んでゐれば民主党の登場など待たず政権交代、政界再編成など出来たのだらう。
▼昨日の信報が社説で「只有犯錯的政府 沒有犯錯的人民」と先週末の反高鐵につき政府をば強烈に批難。行政長官文革曾が週明け月曜に「部分反高鐵示威者不負責任衝擊立法會,違背香港社會核心價值及法治精神……,示威者應該反思。」と述べたことに対し週末の「八十後」の若者らは立法会包囲し武器も持たぬ赤手空拳之輩、せいぜい警察と揉み合ひシュプレヒコール雄叫び、その何処に暴力行為や襲撃が見受けられたか、と。慥かに抗議の勢ひは「激烈」であつたが「暴力」に非ず、香港の核心的価値は自由、法治と人權で基本法にも集会結社、デモの自由は認められてをり、週末の反高鐵の運動など海外の反政府デモや抗議活動の死傷者すら出る暴力的な場面に比べれば大人しいもの。彼らの抗議活動の背後に社会と政治経済の深刻な矛盾があり、問題を解決することもなく、たゞ「鎮圧」するだけでは彼らの鬱憤が更に高まるだけだらう。行政長官は実直にその声に耳を傾け問題の解決と社会の融和を図らねばならぬ。古今東西、間違ひ犯す政権は「官逼民反」なのだ、と。
香港大学北朝鮮からの留学生三名在籍、と朝鮮日報の記事を蘋果が紹介。学問の自由は保証されるべき、だが北朝鮮の留学生受け入れは香港が更に「内地化」の表われかしら。
▼築地のH君が、ところで最近、中国で国際歌を歌ふのでせうか?と。慥かにあまり聴かない気が。かつて「中国革命は世界史における普遍的価値があり人類史の貢献するエポックメイキングであつたと主張してゐた」はずが「ネズミをとる猫がよい猫」と言ひ出して以降は「中国を安定させ中国人民を豊かにするといふドメスティックな価値観に専心」か。で「リパブリック讃歌」だがアタシはこれを紹介したがH君の指摘の「John Brown's Body」だらう。小泉三世が訪米の際、プレスリーのしぐさでこれを歌つてさすがのブッシュも唖然は今や昔。ジョン=ブラウンの魂に対する冒涜か、あるいはブッシュは「よりによつてジョン・ブラウンかよ」と思つて呆れたか。でこの曲を歌ふのはH君の言ふとほりやつぱりピート=シーガー。カラー映像でこのフォークの神様の地の語り聞くと、この口舌の良さはまるで黒門町。「ピート=シガーと黒門町」つてテーマ、平岡正明なら書けたかしら。

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