富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-09-11

九月十一日(金)颱風は逸れたが昨日より天気不安定。幾度か驟雨あり。そら/\行水のやうな冷水のシャワーも肌寒く感ず。晩に帰宅してドライマティーニ二杯。豚のカレーライス。ジャックダニエルソーダ割飲む。
▼台湾で阿扁さん夫婦で収賄等の罪で無期懲役。阿扁は國民黨の政治的陰謀と宣ひ身は牢にあつても心は自由と叫ぶ。美麗島事件で黄信介の辯護団の一員となり当時「党外」の活動に関はり台北市議会議員から李登輝政権下の立法院民進党議員団で頭角現し国民党の分裂の好機逃さず当選の台北市長くらゐが阿扁の役得に相応だつたか。二期目の台北首長選挙(1998年)で国民党のホープ馬英九に負けたがポスト李登輝の総統選挙で亦た國民黨が今度は連戦と宋楚瑜で割れ総統に当選し2003年の総統選では選挙前日の銃撃受け命がけ?で0.2%だかの僅差で当選。典型的小市民の彼のどこに圧倒的絶対権力の蒋政権下で党外の弁護士から民進党台北市議、立法員議員、台北市長から総統にまでなる意慾があつたのか、何が彼の原動力なのか、とアタシは訝しくも思つたが総統の立場で収賄と言はれてしまふと(それが事実なら)地位へのかなりの陶酔癖か、とどこか納得するところあり。どうであれジャッキー=チェンが上述の2003年総統選挙での疑惑の銃弾をば茶番と嗤ひ台湾でかなり顰蹙かつたが阿扁の収賄での終身刑はジャッキーさんにとつてみれば「そりや見たことか」かしら(昨年は「政治的自由がありすぎると台湾のやうに混乱」と宣ひ亦た舌禍)。李登輝博士閣下にしてみれば台湾派とはいへ阿扁なる小人物を後継にすることで教父的地位保全の策略もあつただらうが阿扁のnaiveさが仇となる。台湾の知性たる李遠哲博士も国民党専政解消がためポスト李登輝で阿扁支持までは良かつたが総統就任後の阿扁の限界気づいたは当然で2003年の総統選では最後の最後まで阿扁支持表明せず、それでもなを台湾の民主化には民進党政権の維持が大事と苦渋の阿扁支持表明が「疑惑の銃弾」の前日。我が恩師、陳其南先生も香港に客居の身で台湾民主化支援し阿扁政権下で行政院政務委員に就かれたが阿扁二期目には行政の中枢辞されたのは阿扁への失望か先生らしい在野趣味と酔狂さゆゑか余の知らぬところ。だが阿扁の小市民性からすれば好対照の馬英九も総統就任後あれよ、あれよといふまに支持率急落で台湾の政治はどうなるのかしら。
日航が自己再生断念し(ッてそれも疾うの昔にわかりきつてゐたことだが)提携交渉先がデルタ航空ワンワールドから今更スカイチーム入り? まだ日航の体力のあつた八十年代に若き田中康夫日航的体質をば批難してゐたころが懐かしいのぉ。
▼高卒の若者の就職難。来春は十八万人だかの求職に対して求人は十二万人余の由。で百歳以上の年寄りが四万人。
自民党で、かつては軍事オタのお坊ちやまで最近はいくらかかはマトモか、と思つてゐた石破茂君が「自民党がダメになるといふことは日本の民主主義が死ぬこと」と宣はれる。アタシは自民党がダメになることは少しは日本の民主主義に貢献か、と思つてゐたが。参詣新聞では拓大のソフトモヒカン遠藤教授が民主党批判で「財源もあやふやなまゝ特定の層に向けて再分配を行ひ(これはタチの悪い社会主義政策そのものである)」とおつしやるがこれまでの自民党とて土建業だの農協の組織化はタチの悪い社会主義政策そのもの。遠藤センセの「政権獲得とライバル自民党の壊滅的敗北によつて「政権交代」も「反自民」も党をまとめる道具としての有効性を失つてしまつた。民主党は今後何を求心力として党の一体性を維持していくのだらうか。圧勝した民主党こそ深刻な危機を迎へてゐるのではないのか」といふ憂ひに築地のH君は一言「今後何を求心力として党の一体性を維持していくのだらうか」つて「政権によつて維持される」に決まつてるぢやない、自民党のこれまでを見れば明か、と。御意。

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