富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-08-06

八月六日(木)昨晩から気温は摂氏廿三、四度ぢやないかしら。海風が涼しいどころか寒いほど。窓を開けたまゝ蒲団かぶつて寝てゐた。朝五時頃夜明けに目覚め。朝風呂。テレビは朝から押尾学の逮捕、酒井法子の失踪と天気予報ばかり。でバラエティ的にコメンテーターの話にふむ/\と。この風土で裁判員制度とはたゞ/\嗤ふばかり。裁判員制度といへば数日前、初公判伝えるNHKのNW9は裁判事件の証拠写真に「女性の裁判員は目を逸らし」「男性裁判員の中にも目を逸らす人が」と、この男ハかふ、女ハさう、の表現すら日本的。旅館で、昔は朝七時、八時の朝食に「旅先くらひゆつくり寝かせておくれよ」と思つたが、今ぢや七時半の朝食が待ち遠しくてたまらず。曇り空。焼鮭、納豆で御飯を二膳食べたが白粥も供され漬物で更に一杯。食べすぎ。自宅に戻る。AirMac Expressで里の苫屋も簡単にWi-Fi環境になつてしまふ。母のMac機でSkypeが使へるやうにしようと思つたらSkypeの頁が繋がらず。プロバイダがNTTなので妨害かしら。昼に母と蕎麦「だぼう」に食す。アタシにとつては帰省した時の愉しみが上手い蕎麦。午後、郷家に置きつ放しの書籍片づけ。二度ほど大がゝりに古書商に本を処分したが、離れ=物置の解体で母が人を雇ひ母が書籍などすべて段ボールに入れたところ十数箱もあり。古書商に賣るか、捨てるか、どうしても保存するか、自分では保存できぬが築地のH君にでも引き取つてもらふか、と整理し出すが予想以上に若い頃の郵便の手紙の束が多い。友だちとか昔はこんなに手紙で遣りとりがあつたものか、と驚く。アタシにとつては貴重だが南方熊楠の往復書翰のやうな歴史的価値があるでもなくアタシが死ねば捨てられるしかなからう、と思ひかなりを焼却する。それに大学の頃の講義ノートだの、集会の印刷物だのよくぞこゝまで保存してゐたな、と驚くが亡父が高校の頃の数学や物理のノートまで出てきて、これは遺品として大切。叔母が孫=従弟の息子連れて来られ夕方、郷里に唯一残るデパート(すでに前時代の遺蹟のやう)で今日から鉄道模型展開催あり観覧。その十歳の子を「連れてつてあげる」と実はアタシが見たいのだが。丸善の支店で書籍購入。晩に母と妹と何を食べようか、といふ話で鰻の蒲焼きか?といふ話もあたつたが選んだのは結局、何処にでもある中華料理屋のタンメンと焼餃子。スーパー銭湯で湯に浸かる。

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