富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-07-24

七月廿四日(金)晴。香港の夏といへば「書展」。もう二十年目だが毎年数十万人といふ人出に怖気付き一度も近づいたことなし。それを万難を排し今日の夕方訪れたのは閱讀香港講座系列といふ公開討論会「文化藝術之旅」に國學の大家、饒宗頤教授と対談が池田大作先生だから(司会は孫立川博士)。生の池田会長を生涯で一度くらゐ、と日本では創価学会の会合でもなければさう至近距離で拝めるものでなし。それが大作先生は「都合で」今回のこの参加見合はせ……の由。代はりに地元の創価系の学者が壇上に。天地図書出版から饒宗頤、池田大作、孫立川の鼎談集『文化藝術之旅』が上梓(日本では月刊『潮』に連載され潮出版より『文化と芸術の旅路』として刊行)されたを紀念しての今回の鼎談、饒宗頤といふ漢の國學大家に礼を失してまで辞すとは……池田先生にいつたい何が?と。健康か、いや八月末の天下分目の衆院選挙で公明党自民党に与した所為で厳しく比例ブロックでは組織票である程度の議席は堅くても公明党の牙城たる東京12区では敢へて比例区と重複立候補せぬ太田代表に民主党は小沢君国替へ見送りで青木愛嬢といふ異種格闘技戦となり西の兵庫八区では冬柴元幹事長に康夫チャンが挑戦状、とこんな情況では「文化とは人間性の開花、芸術とは平和の武器」といつても現世はキナ臭く忙しいかしら。何万人がゐて十代の若者多く新型インフルエンザがどれだけ感染してゐるのか気になる(ちなみに今日の新参感染者は154人だとか)会場少しだけ流して退場。湾仔の站まで暑いなか歩くのも難儀やなぁ、と思へば「人混みあれば赤ミニ」で運良く湾仔行きの赤ミニバスが来て幸ひ。九龍でこんな抜け道あるの?と驚くうちに旺角到著、MTRで九龍塘に行きFestival Walk商場。かうした世界中同規格のショッピングセンター大嫌ひ。Z嬢と其処の映画館で『音樂人生』(KJ)特別上映見る。2002年に11歳で脚光浴びた黄家正(Wong Ka Jeng、KJ)といふ香港生まれ育ちのピアニストの少年の当時のチェコ訪問での神童ぶり、と五、六年後に拔萃男書院(Diocesan Boys' School)の上級学年となつたKJの音樂活動とその言動を撮つたドキュメンタリー。監督の張經緯は鞍華の『天水圍的夜與霧』の編劇をした人。子どもの音樂コンクールで偶然にKJ少年を見つけ、その奇才ぶりに惹かれ映像に残し、数年前にドキュメンタリー映画制作の基金の援助あり17、8歳のKJを撮り一つの作品に。とにかくKJ少年が神童、天才、奇才……喩へる言葉は多いがとにかく非凡で而も言動も可笑しく器量も良いから映像に耐へる。この少年がいつたいどんな大器となるのか、が興味深いが今は米国のインディアナ大学音楽院にてピアノ専攻。ピアノのソリストからこの性格は指揮者だらう、と推す。音樂漬けをあつさりと断つかもしれず、だがこんな個性的な少年は見たこともない、といふほどの奇才で何であれ期待大。このKJ少年から比べると香港生まれ育ちでもエール大学で比較文化専攻しながら指揮者への夢を実現のPerry So君がとても真つ当な人に思へてならず。いづれにせよPerry So君とこのKJ君は香港出身で今後の活躍大いに期待すべき逸材。
産経新聞の「【政論】隠れた衆院選の争点 社民、共産との共通点浮き彫り 」で民主党の政策(INDEX 2009)を産経新聞が読めば「外交・安全保障などの政策面で現実路線をとりつつあるとされる民主党が、実はまだ旧社会党的発想の影響下にあることを浮き彫りにしている」さうで高崎経済大の八木先生によれば「自民党も右から左までいるし、民主党もそうだ。ただ、決定的な違いはそれぞれが抱える左の体質だ。自民党の左は『なんとなくリベラル』だが、民主党は『本物の左翼』『職業左翼』を抱えている」こと。民主党永住外国人への地方参政権付与、重国籍容認、人権侵害救済機関創設、靖国神社に代はる国立追悼施設の建立、夫婦別姓、学校単位での教科書採択……産経が批難するこれらの民主党の方針、アタシはいづれも賛成、といふことはアタシは左翼かしら。かういふ指摘讀むと思はず民主党を見直して「やつぱり小選挙区では民主党に一票入れるべきだ」と考へずにをれぬ。背中を押してくれて、ありがたう産経新聞

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文化と芸術の旅路

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