富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-01-31

一月卅一日(土)快晴。昼にピアノ稽古終はつたK氏とZ嬢と炮台山城市花園の「自然や」にちらし寿司食す。春を通り越し汗ばむ陽気のなか散歩してヴィクトリア公園。来週日曜に開催の香港マラソンのゼッケン等受け取り。今年で13回目の大会に第2回の10kmから12回連続参加でここ4回はフルマラソン一応完走のアタシは今回は明らかに辞退。昨年末のぎつくり腰から腰痛が癒えず歩くのが精一杯でとても走れる体調に非ず。長距離を走るとわかるが何よりも腰が大切。これで腰を更に悪くしたら目も当てられず。参加申込みしてたのでTシヤツだの記念品だけでもせめて頂戴しよう。それにしても走れないと思ふと残念無念。もう何十回フル完走かしら、のK氏と別れZ嬢と天后から隧道バスで九龍に渡る。隧道潜り紅磡で下車のはずが車中睡魔に襲はれ眠気優先。油麻地。上海街から九龍水果批發市場を漫歩しつゝ今日は写真何枚か撮影。佐敦は呉松街の名前失念の老舗のカメラ店にてコダックの白黒フィルムTmaxの400、初めて改良版を半打購ふ。バスで尖沙咀。香港太空館。波蘭の戦後映画特集でアンジェイ=ワイダ監督の映画『灰とダイヤモンド』見る。二十数年ぶり。表面上は反政府運動が徒らであると主張してゐるやうで、実際には観衆は反体制的な暗殺業の青年マーチェクに同情を感じざるを得ない、といふこの映画の微妙な作風。それにしても画面の構図、光線と影、殊に夕方から翌朝までの一つのホテルでの狂乱と人間模様の映し出し……あらためてその見事さに言葉もなし。ところでパーティの明け方の余韻の部分でまだ踊り足りず「イ長調を!」と楽団に命ずる場面あり、楽団員はそれで踊りの曲が何かの見当がつき、「イ長調を!、ポロネーズ」で有名なシーンだがショパン軍隊ポロネーズが流れる、あの場面、波蘭人にとつてのショパン。日本ぢや終戦を描いたら大河モノで「日本のいちばん長い日」になつちまふか、良心的に描くと山田洋次で「母べえ」ノリ=結局世の中何も変らない、か、反骨精神とかで「喧嘩えれぢい」みたいに鈴木清順的になんだかわからない、になつてしまふだらう。映画終はつて香港島に戻りミッドレベルはCaine Rdの京香餃なる餃子屋で香港大学のN女史と夕食の予定が京香餃の正月明けの営業は明日から。でHollywood Rdのチーズ&葡萄酒の食肆、Classifiedに食す。チーズ盛り合はせとオリーブ、グリーンサラダ。ローヌ地方はラストーのPerrinの赤葡萄酒一瓶。鼎談笑語尽きず。中環の裏町の野良猫を愛で帰宅。
角界で力士の大麻趣味。音楽事務所家宅捜索で其処に力士が居合はせた、とまるでお芝居。「日本人の力士も」とマスコミと巷民騒いで見せるが是非は別に大麻の普及で力士でも「外国人だけ」が寧ろ不自然。音楽関係者と角界。相撲をスポーツとするから近代スポーツの政治性でをかしくなるわけで「興業」ととれば音楽事務所で鳥渡一服、も「なるほどね」の世界かしら。

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