富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-01-22

一月廿二日(木)晩に豚肉の韮鍋食す。実に美味い豚肉で我に豚肉食ひを禁す戒律なきことありがたく感じる。
▼ほとんどタメにならぬ内容のNHKのNW9だが小浜就任で米国総統は「就任から百日の間の成果で手腕が問はれる」と指摘。ふと思へば2001年に総得票数ではゴアに負けたがフロリダで当選のブッシュさんは就任後パッとせず6月に1.4兆ドル減税発表するなど必死、で9月11日の同時多発テロで、その後の「安定」は知つての通り。小泉三世も「聖域なき構造改革」で口火切つたのがアトになつて思へば長期政権化への礎。となると小浜氏に百日とはいはぬが半年で何が出来るのかしら。
シンガポール在住のM嬢とのやりとりの中でシンガポールの義務教育が小学校6年のみ、と知る。それも法制化されまだ6年。勿論、中学への進学は少なくないのだらうがRoyston Tan監督の 15 なんて痛々しい青春を見てしまつてゐると、かういふ子たちには教育施しても無駄、みたいな判断に星政府ならなるかしら、と思ふ。で更生すれば職能学校なり用意はございますよ、と。それにしてもこの映画、googleのビデオで見直してみると、やはり上出来。
▼陶傑氏が蘋果日報の随筆で小浜氏の総統就任演説を語るは「沒貓紙的奧巴馬」。
My fellow citizens: I stand here today humbled by the task before us, grateful for the trust you have bestowed, mindful of the sacrifices borne by our ancestors.
といふ冒頭の言葉だけでも、先づは Ladies and Gentlemen, で始まらず citizen と呼びかけるが My fellow と総統としての導主ぶりを強調し、 stand here today humbled by the task before us,で続く科白もいかにも米語らしい響きで「祖先」といふ一言が新大陸に第一歩を踏んだ開拓時代からの、更に小浜氏が言ふことで奴隷であつた黒人にまで訴へかけるかけること。ところで小浜就任演説、新華社が網上で中文訳を「全文」掲載としたが、実は
Recall that earlier generations faced down fascism and communism not just with missiles and tanks, but with sturdy alliances and enduring convictions.
と米国の「先達がファシズム共産主義に抵抗し」の部分は
回想先辈们在抵抗法西斯主义之时,他们不仅依靠手中的导弹或坦克,他们还依靠稳固的联盟和坚定的信仰。
として「共産主義」の一言を消していた由。これぢや全文掲載ぢやないだらう、と下手な注目され現在は「第44任美国总统贝拉克•奥巴马就职演说(要点)」と掲載。
▼台湾の前総統阿扁容疑者の総統府機密費横領や収賄疑惑。父母より託されし資金を米国等で「洗銭」の容疑あり阿扁息子夫婦、初公判で検察側の述べた罪状あつさりと認め台湾国民、否、台湾の人々に謝罪(二十日)。家族で不正に海外に貯め込んだ台幣18億元をお返しします、と。検察の特捜組の検察官曰く
扁家正在上演家族司法切割大戲:夫妻間切割,由陳水扁將責任推給夫人吳淑珍;親子間的切割,由陳致中推給母親,底線則是讓無法服刑的吳淑珍集萬惡於一身,無論贓款能否保住,先確保不再有扁家人入監。
家族ぐるみで司法欺く大芝居。夫婦の間を割き阿扁は妻に責任押し付け、子は母に責任擦り付けるも、一身に罪状かぶる吳淑珍(前総統夫人)が脆弱極まりなし、でとても服役に耐へぬ体調ゆゑ、で結果、家族の誰も刑務所入りせずに済まさう、の策略、と。台南の貧農の息子が苦労して台大の法学部出て弁護士となり命をかけて民主運動、で台北市長から国民党破つての総統就任、で疑惑の銃弾での再任、で家族郎党での公費横領の上、家族でどろ/\の司法劇……このままこりや人形浄瑠璃で観たいところ。いや、台湾だから指人形の布袋戯(ぽてひ〜)か。

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