富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月十日(水)朝七時半過ぎに自動車でStubbs Rdを抜けようとしたら目前で道路の高架下から猛煙。路線バスが故障で火を吹いた由。小一時間後には湾仔でも路線バスが自焚。幸ひ死傷者なし。同時多発テロか?といふバカな報道もなし。恐ろしく忙しい日だつたが夕方かなり久々に中環に出る。靴磨きにずつとKIWIの靴クリームと靴墨(ポリッシュ)愛用してゐるが最近、靴墨はあるが靴クリームのはうが見当たらない。靴墨は見た目ピカ/\だが靴皮には優しからず靴墨で保養してやることが大切。いつも自分で靴を磨くが珍しく戯院里の横丁の路上で靴を磨いてもらつたが此処も三人の靴磨きはみんな靴墨しか使つてをらぬ。上海灘の横の路地に並ぶ靴修理の屋台店で何軒か尋ねると何処も靴墨ばかり。靴墨はみんなKIWIなのだが。やうやく一軒だけ靴クリームの在庫ある店あり。それも棚の奥からやうやく見つけ出して別メーカーの黒色の靴クリームを入手。後でKIWIのサイトで見たがKIWIの商品から靴クリームが消えてゐた。靴墨で靴をピカ/\に見せるのは簡単で靴クリームを少し塗つただけで布で見事に磨き上げるのがプロの靴磨きだし本当に手入れの行き届いた丁寧に扱はれる靴なのだが。ラルフローレン洋服店訪れるが冬のバーゲンでもうすつかり適当なサイズは売り切れ。普段着のズボン2本購ふ。マンダリンオリエンタルの餅店。オリヴァーズで葡萄酒など購ふ。晩に帰宅してFCCでテイクアウトの印度カレーとタイカレー食す。昨晩の残りの葡萄酒。久々に入手の靴クリームで靴磨き。まだ咳が残る。
▼冬になると日本の、あのもわーつと暖気が停滞した暖房も気持ち悪いが香港で冬になつても冷房つけつ放しも困つたもの。香港大学を出て某大学院でMBAまでとつた方が(つて高学歴=常識的とは言へないが)冷房をつけるので寒くない?と言つたら「新鮮な酸素が……」と(笑)。冷房は空気清浄機ではないし、ましてや酸素提供などないのだが……。寧ろ汚れたフィルター通した空気が循環してゐるのに。それと電子レンジへの過信も凄い。弁当を「強」で10分くらゐ暖める。当然お弁当の食事は乾燥してカサ/\になつてしまひ不味くなる。が唐土では「冷や飯を食ふ」を嫌ふばかりか調理済み弁当は電子レンジで「暖める」だけではなく「煮沸での殺菌効果」が期待されてゐるらしい。調理の段階できちんと火が通つてゐればいくら香港が高温多湿でも室内の冷所(実際に冷房で寒い)になら数時間放置したくらいで腐るはずないのだが。だから日本人が冷や飯の弁当を暖めもせずに美味さうに食べてゐることがかなり不思議と見える。……となんだか来港一年生の観察日記のやうなことを綴つてしまつた。(笑)

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