富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-11-28

十一月廿八日(水)朝の気温摂氏十五度。厳寒の季節到来す。巷街にはダウンジャケット、マフラー、暑いコート着込む防寒者多し。早晩に中環。FCCハイボール二杯。新聞読み。尖沙咀。周凡天氏の「解剖世界名曲進入音樂世界」の早くも第三輯「管弦楽編」の第3回を聴く。終はつて外に出るとS女史より携帯に電話あり。「第4レースの6番、来たわよ」と。S女史は競馬場より。第4競争の6番とは畏友A君家族の持ち馬ナチュラルエコーのことで、ボトムエンドのクラス5でレーティングも確か10幾つまで落ちたが持ち直し前回の2000mで一着。で今回はハッピーバレーの競馬場をぐるぐる回る2200mに出走。今晩競馬に行くといふS女史にこの馬を紹介し、アタシもご祝儀でそれなりの金額を投入。5.7倍の一番人気の期待に応へ連勝。さつそくA君に祝電。一人で祝賀とペニンスラホテルのバー。ドライマティーニと目が覚めるやうなレシピのギムレット二杯。帰りがけに銅鑼湾で間違つて地下鉄を降りてしまひ(笑)バーS。ギムレット再び。T氏とマスターM氏と趣味の話。
▼立法会港島区補欠選挙迄一週間を切り選挙運動白熱。葉劉淑儀は本晩、中環Charter Gardenにて支持者集会。蘋果日報は社主・黎智英氏が「良知和你有個約會」と題した文章で「高貴人格捍衞自由」の陳方安生女史に投票呼びかける。日曜日の立会ひ演説会では陳方候補支援する公民党のメンバーが葉候補の支持者がバスで動員されてゐる現場を携帯で撮影したところ葉派の一人が携帯取り上げる実力行使に出て撮影者が軽い怪我負はす。警察が検挙のその男は民建聯の21歳の党員で最も若い区議会議員候補だつた姚銘さん。保守派の若い熱血党員でさながらかつての自民党青嵐会の如し。泛民主派はこの暴力沙汰を「白色テロ」と恐れ、民建聯は「自作テロ」と否定。いづれにせよ民建聯ら左派の敵は民主党でなく、今ではすつかり公民党にお株奪はれたやう。
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▼額賀先生の参議院での証人喚問の実施可決につき自民党参院国対委員長が「数の横暴」と非難。証人喚問の事の重大さを考へれば全会一致が望ましい、といふ考へ(公明党国対委員長の弁)もわかるが、「数の横暴」は自民党こそお家芸。それが立場が逆になつた途端、数の横暴非難とは聞いて開いた口が塞がらぬ。
▼或る民意調査機関の調査によれば、香港市民に対して「自分が中国人といふ意識向上に影響あるものは何か?」といふ質問に対して、7割強が普通選挙実現、8割余が大陸との経済関係の密接化と中国の国際的地位を挙げ、逆に共産党による執政の継続と答へたものは2割。この調査ぢたひは驚く結果ではない。が実施したのが香港大学の民意研究計画グループ、マカオの調査機関、台湾の国立政治大学選挙研究センター、それに琉球大学の国際関係学科ださうな。中国人としてのアイデンティティ調査に琉球大学がどう関はつたのか記事(信報)からはよくわからぬ、が琉大の国際関係学科助教授の林泉忠先生のコメントとして「調査結果からわかることは、香港人が「共産党による中国統治」を否定してゐるといふものではなく、民主化を促進することが香港市民の大陸に対する帰属意識を高めること」とあり。沖縄がかういつた中国人のアイデンティティ調査に加はることがとても興味深い。

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