富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月三十一日(金)六世中村歌右衛門命日。五年前のこの日までフィリピンに遊び四月朔日に新聞の弔報に成駒屋他界を知る。日剰捲れば偶然にフィリピンに渡る直前に渡辺保歌右衛門伝説』読み89年末の京都南座の顔見世のことなど綴ってあり。五年前のこの日、櫻花開くなかに春雪、夜半に雪雲割れ月が出で、まさに雪月花であったとか。本日、曇。民主党前原某党代表辞任。どうせなら党を出で小泉三世と新党結成を。北京では胡錦涛君、橋本龍太郎君率いる対中友好諸団体と会談し靖国について「政府の代表者が行くのは政府の意志を表わしていると考える。指導者個人の気持ちはわかるが、被害国の国民の気持ちも尊重してほしい」と述べる。「指導者個人の気持ちはわかる」と小泉三世の「個人の心の問題」にまで理解示す、のこの発言の寛容。だが橋本君も「多くの日本人の心の中にある靖国神社は身近な人の姿」などと反論し我が国の社会通念?以上の靖国評価の轍を踏む。本日、早晩にFCCのバーに参ればかなりの賑わいに何事かと驚けばRugby Sevens開幕にてテレビ中継眺め豪飲の客多し。困ったなぁと思う間もなく客がさっと退き何事かと思えば、どうやらイングランドならイングランド、蘇格蘭なら蘇格蘭とお目当ての国チームの応援で、試合(確か十数分?)終わればさっさと近隣のオフィスに仕事に戻る様子。新聞に目を通しハイボール二杯飲んだところに知己の編集者S嬢とZ嬢現れ軽く夕食済ます。S嬢かつて『香港通信』誌に余がSouth China Talking Hostなる連載で最後の担当者。三人でシティーホールに参りCCDC (城市当代舞踏団)のダンス公演「剛柔流(Iron and Silk)」参観。前半はCCDCの若手による中国の詩人・北島(曹長青による評論(邦訳)こちら)の詩からのinspirationという「某些動作與陰影」。未だ習作の域を出ておらず。後半は一軍による「暴光(Lights Up)」なるアップビートなダンス。照明仕組んだ道具の使い方にかなり疑問あり。道具が拘りすぎ、で舞者、踊りに専念できず道具係の如し。会場に四月末に久々に踊るDaniel楊春江君の姿あり。シティーホールでは本晩、Freddy Kemphなるピアニストの演奏会もあり。Kemphという名の通り巨匠ケンプの遠縁とか。三人で銅鑼湾のバーS。鼎談に物語り尽きず深更に至る。
http://www.to-on.com/management/artist/kempf/profile.html
▼昨日、陳日君枢機卿に就任し香港で初のミサに熱心な天主教徒たる自称政治家Sir Donaldも参り枢機卿の指輪に接吻。中国政府にしみてれば、この地方自治体首長につき困るのが江沢民にサイン強請るが如き小市民性と、そしてこの宗教心。而も中共にとっては反革命勢力たる天主教。信報の記事によれば阿片の如き宗教は内地にて宗教信者は人口の二億人突破し、内4,500万人が天主教。毎年300万人単位での増加。伝統的に辺鄙なる山岳地帯など少数民族に天主教の信者多く最近は社会不安などで都市部に信者増加も目立ち政府の懸念は天主教徒がひとつの社会勢力となること。それ考慮せば弾圧などよかバチカンとの関係修復も必須か。
▼信報の林行止専欄がフランスの学生デモに端を発した全国規模のストライキについて語る。どうもこのストライキにいたる経緯、余もピンとこなかったが、要はフランス国民にとっての大事は「言うことをきかない」姿を国民が政府に見せつけること。ノンと発言する主張、運動が起こせることの再確認。

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