富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月廿一日(火)曇。日本は春分の日。さすがのスポーツ頓珍漢の我もWBCなる職業野球の世界選手権なるもの「米国で」開催され我が国は韓国に連敗で「もう終わったことにする」はずが米国が決勝に残るため組まれたはずの複雑なトーナメントルールで日本が韓国破りまさかの復活果たし決勝進出、と話題に追いつく。日本は今日は日テレ、読売テレビ系列のテレビに釘付けのはず。香港の邦人も出勤日とはいへ日本が休日でスポーツナビなどでネット実況中継に釘付けだったは当然。で強豪古巴相手。日本選手ではイチローしか名前しらぬ我もついつい日本の序盤リード、古巴もゴンザレスという投手の名前しか知らぬが、さすが古巴で1点差まで追いつき9回イチローの適打にて追い放しての、確かに見事な試合展開。台湾人の知人に何を日本人は興奮している?と尋ねられ「日本が野球の世界選手権に優勝」と伝えると台湾がこれに参加していたことさへ知らぬ知人も一言「監督は王選手」と言えば「えっ、王貞治が監督!」と嬉しそう。子どもの頃から日本で活躍する王選手は台湾ではヒーローであった、と。王さんにとっては本塁打世界一にも匹敵する人生最良の日か。これも本来であれば長嶋監督であったのか。だが我が国がいつまでも長嶋茂雄という人に頼らず勝てたことの意義を考えるべきかも。王貞治という人は我も子どもの頃から将来は銀行員になりたいと思ったほど数字に強く打率すらすらりと暗算するという王選手が、読書量とかもかなりだそうで、他の粗野なる野球選手の中で今でいえば古田的に違うもの。いずれにせよ今回の世界一が誰にとって最も最良の日かといえば小泉純一郎閣下。有終の美(ホントに今秋に首相辞任するなら、の話だが)。前世紀末より低迷続けた景気も小泉三世が「構造改革」だの「痛みある云々」と言葉こそ勇ましいが特段なにか有効な景気対策したわけでもないが景気回復し、冬季オリンピックもメダル絶望で「なかったことにするはず」が荒川金で盛り上がり見せ、そして今回の野球世界一。明後日の小泉メールマガジンが楽しみ。この野球日本一で、日本もなかなか捨てたものぢゃない、と思うのは悪いことでない。これがサッカーならほんとに世界の話題だが野球であるから所詮、米国に与する国々(唯一の例外がキューバ)だけでの話なのだが。で、怖いのは「日本もなかなか捨てたものぢゃない」が現状肯定であるとか、小泉改革(どこが?)だの安倍禅譲安倍晋三から安倍禅譲に改名だ)に繋がり、対韓・対中への傲慢路線、教育基本法から憲法までの改悪に至らぬことを祈るばかり。だが現実は確実にそれへの追い風になろう。安倍禅譲といえば、今日の朝日にポスト小泉に誰を選ぶ?の世論調査あり安倍47%で福田20%という数字あり。麻生、谷垣は5%下回り安福レースに決り。安倍優位は変わらぬが福田氏の急上昇。自民党支持層では安倍支持が6割で福田15%と大差。それが国民の総意となると福田浮上。興味深いのは安福で安倍は支持者男女で45:48と大差ないが福田は26:15と男性の支持が高く、安倍が各年齢層から満遍なく4割以上の支持なのに対して福田は60歳以上の男性で3割余の高めの支持。都市部では安倍:福田が44:23で東京に限れば(都知事が石原なのに)43:26と福田支持が多少なりとも強まる。福田氏支持では対中関係の重視の声高いのは当然。結果明らかなのは非都市部で女性と若者に無邪気な安倍支持が強く、都市部で60歳以上の男性という「ものごとのわかった人たち」、後藤田正晴先生に親近感をもつような、つまり国民の識字率5%にかなり入るであろう人たちが福田支持であること。自民党総裁選で福田氏がどこまで善戦するか(自民党の良識の問題)、首班指名となった時に民主党から共産党までが福田氏擁立に動けば政界再編成も含め面白いところ。というわけで本日……バンコクから来港のY氏と晩に銅鑼湾のいろりに食す。食す、と言っても肴を小皿に三品、で焼酎はさらりと一本飲み干して銅鑼湾でHK$300は客単価低すぎよう。よもやま話。ラウンジ系のバーBにふと面識を得たT嬢お尋ねし一飲。そのままバーYでハイボール二杯。Y氏と別れ、帰ればいいのにバーS。午前三時の閉店まで静かにオールドパーハイボール二杯。

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