富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦九月廿五立冬。昨晩まで一昼夜山を登り下りの100km縦走をば三年ぶりに行つたが今朝は朝七時に覚醒め足首の関節多少痛む程度で気分爽快。昼まで山歩きの荷物だの片付けこの催事関係のメールだの写真だの整理。ところで自宅のネット環境が三日の夜不調になり地場プロバイダNetvigatorのシステム環境の変更があったものの通信不通の直接の原因ふと気づけば自宅の無線LANなどのルーターにて設定変更要する筈でそれに五日の朝に気づき通信復活できたもののTrailwalkerの時間にかなり逼り慌ててタクシーで携帯電話置き忘れ。数分後に気づいたが次の客に拾われSIMカードは当然抜かれたようで音信不通。その日の昼には銅鑼灣あたりの路上の中古バイヤーで買い取られていることか。で本日は昼に軽くとMacon-Lugnyの02年の白葡萄酒。明太子のパスタ食す。午後九龍に渡り知る湯屋に按摩。お湯につかり昨日の疲労も何処へかと去る。早晩に中環のCSL商店。携帯は五日Trailwalkerのスタート時間緊迫する中で畏友M君に電話で頼み通話止めてあり本日携帯電話機の購入とSIMの再発行。電話機は結局、デジカメが使えますのMP3内蔵ですのメールが読めますだのといふ電話にあるまじき附属機能多い電話は余は好まずNokiaでそういった付帯機能ない中では真っ当な、失くしたのと同型の6100を再び購入。その場で使用可能。手続きから購入と使用開始まで二十分程度。香港ジョッキー倶楽部の中環の場外馬券場に寄り新しい携帯での電話投注(テレベット)の手続き。手続き終了待つ間にFCCにドライマティーニ二杯飲む。二杯目まだ少し残るうちに勘定求めれば請求のビルを見せるどころかまず余の目の前にまだ残るグラスの酒をさっと捨てられ若い給仕のそれに唖然。帰宅して湯豆腐。菊正宗二合。
▼金曜日からの新聞ぱらぱらと捲れば小泉三世盟友ブッシュ某の当選に「大したもんだね。これだけ世界から批判されて、国内のマスコミの大批判に耐えてね、指導力を発揮されて、大したもんだ。見習わなきゃいかん」と。海外の多くの国や人々、国内のマスコミと半数の国民に批判されての指導力とは何か。ブッシュ某は当選祝賀での挨拶で「わわわれはリベラルもインディペンデントも協力してテロリストから国を守らなければならない」と宣ふ。テロという仮想の敵の存在。繰り返し繰り返し架空の敵との戦いについてテレビモニタから流れ人々洗脳されうる半世紀前のSF小説の如き世界。言葉遊び。それに対して新潟地震の被災地訪れた皇后の言葉は「生きていてくれてありがとう」と一瞬不思議に聞こえる物言いながら「ありがとう」が「ありがたく」の音便で元々は「有り難い」の派生語だと思えば「あの惨禍の中でこうして生き延びられたことがありそうもないこと、それだけ幸いであること」が「有り難い」のであり、あの場で被災者に述べる言葉としては「大変でしたね」などよりどれだけ所謂「心のこもった」言葉であるか。
▼陶傑氏が蘋果日報の随筆で(四日)、今回の大統領選挙はマクドナルドかバーガーキングのどちらがいいかを選ぶ如し。本人の政治家としての力量でなく第三者が「据えておく」といふ点ではブッシュも香港の董建華長官も同じ。但し「董建華是一個失敗的布殊、布殊是一個成功的董建華」との指摘は言い得てて妙。