富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十二日(金)晴。美孚に晩藪用あり一年ぶりに美孚訪れ茘枝角の公営プールにて泳ぐが水は気温より生暖かく爽快さなど微塵もなし。一泳ぎすれば汗をかくほど。またプールは呈祥道に接し大気汚染甚だひどく水面に顔を出し呼吸するたびに走る大型車の排気を吸うが如し。泳ぐ環境に非ず。食に貧しき美孚ながら驛舎に餃子妹なる店あり及第なる煎餃、上海麺の類を供す。
▼朝ラジオにて反テロ法案(破防法)立法会にての審議ニュースを聞きながら目覚め寝惚けたまま朝日新聞開けば香港版一頁大で律政司司長梁愛詩のインタビュー掲載される。先日の返還五周年記念特集も梁愛詩が登場しておりその引伸し記事と察するが梁曰く香港は共産主義と資本主義という一国二制度(厳密には一党独裁と民主主義だろーが!)のもと高度な自治謳歌し中国では邪教とされた法輪功が香港では一部信者の行為が現行法に触れて逮捕されたことを除けば集団としての信教を妨げられぬことはまさに香港を象徴している、と。星島日報社主Sally Auを指揮権発動にて業務上詐欺から救ふなど自ら香港の法治を揺るがせおいて何をぬかすか、と思いこの朝日も提灯記事と感ず。ただし目が覚めてからSouth China Morning Post一面トップにて「律政司破防法にて確約」と何事かと思へば梁愛詩曰くもし中国が香港に対し国際的に認められている人権保障を破棄するような破防法の立法化を望むならば北京に対し香港の実状を説かなければならぬ、と。基本法23条下での破防法は体系的な法整備上法制化されそれが適用されるような事態になった時のための法であり法輪功といふ特定の団体に抗するために非ず、重要なことは23条にて「on its own香港が」とあることであり(主張は一昨日の李柱銘と同じ!)立法化の日程は保安局(ゲシュタボ葉)の決断によるが法務での充分な作業が必要であり急くべからず、と。関係筋の話としては梁愛詩と北京中央の関係は人が憶測するほど蜜月に非ず梁は香港市民(権益)ために北京に抗して懸命である、と。朝日の梁インタビュー今朝掲載は偶然か……(そうに違いないのだが)SCMPはトップ記事ばかりか政治論説記者による梁へのかなり好意的な長文記事まで載せ社説でまで梁を支持。この突然の梁及びマスコミの変節?に戸惑わざるを得ず。
蘋果日報に2002日本年紹介記事出るが八月の歌舞伎「舞伎公演」と書かれたはまだしも写真は「日本伝統芸妓」が舞踊する様にてきれいな芸妓の日本舞踊を愉しみに公演訪れ橘屋が「女装」して藤娘踊るを見れば驚愕か。
▼(日刊スポオツ)長野県議会の重鎮で県民クラブ最高顧問の小田切行雄氏(88)田中知事不信任案決議に賛成票を投じたが「もっと慎重にすべきだった。申し訳ない」。「ダム問題は大義名分。知事と県議の感情の問題だった」とも吐露。小田切氏によると当初不信任案決議は6月28日に提出される予定だったが小田切氏が「慎重にすべきだ」と制止。しかし最後は押し切られる。「田中知事は県議の宿舎は県議が悪口を言うたまり場だから壊せとか県議の生活は安定しているからボランティアで給料のうち10%を社会福祉に寄付しろとかマスコミに対して挑戦的な発言を連発した。それがすべて我々にはね返ってきて怒りのマグマが『不信任』という形で爆発した」と。なるほど納得。また「県議が知事の首を取ること(不信任する)は大変なこと。そのまま居座ることは道義的に許されない」と語り田中知事が失職か辞職して行われる知事選で再任された場合には県議を辞職する。立派な覚悟。88歳ゆえの誠実さ、潔さか。まだどろどろに利権絡みの世代の県議はかうはいくまひ。