富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月十日(金)空港に母と大叔父たちを送迎。一時間後Y君到着し歓迎。Rolexのエクスプローラー入手す。日本ではキムタクでブームだそうで入手困難らしいが昨日母と買い物せし最中に太古廣場の某時計屋にさりげなく一つ展示されており見ればそのシンプルさに魅かれる。Y君と垢擦りに参る。日本橋永頼堂の扇子、手拭いなど頂く。晩にY君Z嬢と松任谷由実のコンサート参観。じつに1981年の「水の中のAsiaへ」以来。四十八歳で精力溢れる舞台、さういへば中村歌右衛門もこの頃がいちばん精気あふれる舞台かと納得。最近の曲は知らず聴いても余り心打たれぬが80年代の、94年の「春よ、来い」までの曲聴けば思いだす若かりし頃の情景過る。二時間半に渡り芸人の素晴らしき心意気に接し終わって佐敦まで歩き呉松街の新兜記にて食す。チップ多めにと強請る給仕も最近珍しいがそれに値するだけの服務かも知れぬ。深夜零時に此処で宵夜食す輩は「金指輪に翡翠指輪に金ブレスレッドにて飲み屋のネーチャン連れ」や「売れぬネーチャン芸人『食事ご馳走するから』と連れ出した今太閤」のやうな者ばかりにて観察に飽きぬ。▼蹴鞠のワールドカップの日本戦及び決勝は民放ラジオ全局(中波、短波、FM)がこの中継の同番組を流れるは電通の策略。東京オリムピックでも先帝崩御でもなかったこの一億総白痴W杯は国策広告代理店がその広告価値を上げるために仕掛けし暴挙にて唖然。かういふ愚挙をする電通電通ながらそれを受入れる放送局も国民もファシズムを知らぬ平和惚け以外の何物にも非ず。この愚かな催事にて景気回復か……呆れて言葉もなし。