富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月九日(火)晴。佐敦にて二更に藪用済ますと小雨にて気温下がり漫ろ歩くにも苦なく旺角まで歩み廣華街の景記粥王にて完魚片粥食す。上環に生記あり九龍に景記ありと最近評判の店にて此記の師傳「粥王」とまで称される者。味はかなり上品にて生記の重い粥はむしろ佐敦呉松街の和味粥店こそ生記に近く此店の洗練されたあっさりとした味付は全く異なるものなり。主人のもてなしも暖かし。旺角といふがかなり何文田に近き廣華病院の先にありけして多いとはいえぬ量の粥にて小腹まだ空き旺角へ戻る道すがら敢へて通ったのだが花園街は樂園にて牛肉丸粉でも食そうかと思ったが日が暮れれば樂園は店仕舞ひしていることをすっかり忘れ折角人込み著しき旺角まで来てこのまま帰るも悔しく花園街とはいへ旺角道角の八珍食品まで歩くがここもすでみ店仕舞ひ。旺角といふとどうも不夜城の感ありしものの真っ当な店はお天道様沈めば店も終ふかと納得。▼今さら2チャンネルでもなかろうが2chらしい事象を垣間見る。事の発端は冠婚葬祭にて袱紗は挟む?つつむ?といふ実に日常の平凡な疑問を2chのそういった掲示板にスレッドを立てただけなり。ただしふと些細な言葉の間違いが重大な結果を招き本来の袱紗の問題から飛躍的に別なる事象の空想的過剰に至っている。ネット社会はすごすぎ〜。▼昨年後半からか中環は蘭桂坊の坂下に日暮れから路上にてチンケな玩具の如き安宝石並べてうる中年女あり風貌といい化粧といいかなり阿婆擦れた派手さはいったい何者かと気をひき通行人に冷やかされ怒鳴りイザコザも目にすること屡々。本日のSouth China紙にてこの女が70年代の香港ロマンポルノの女王Shirley Yuなる女優の成りの果てだと知る。かつては何十カラットのダイヤを身につけ脚光を浴びた女優がプラスチックの宝石紛いを路上にて売る姿は辛辣なものあり。