富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月五日(金)晴。昼前に香港映画祭にて『香港有個荷季活/Hollywood Hong Kong』(陳果/2001)観る。そうか昨年取壊しになった香港最後の大規模バラック区大勘村を舞台にして背後には都市計画にてHollywood Plazaがそびえ立ち映画の題名に合点。大勘村にて焼臘屋を営む巨漢の父と息子二人、母親は蒸発し一匹の雌豚を母親と呼んで暮らしている。同じドヤに住む無頼漢の青年。彼らがふと現れた妖精のような大陸移民の売春婦に惑わされてゆく物語。いくら香港が大勘村的なものを排除していってもやはり都市生活の縮図が大勘村にある。大勘村はもう既に更地となりフィルムには貴重な大勘村のスラムの生活。この村の詠藜園に坦坦麺を食した昔を彷彿す。コンラッド『闇の奥』詠む。夕方から週刊香港の特集原稿呻吟。明後日の桜花賞シャイニンルビー(藤沢/岡部)。『推理作家の出来るまで』下巻読了。