富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十一日(日)曇。Trail関係にて電話を朝より何本か受けつつそれが途絶えて何時のまにか漸く熟睡し気がつけば昼。午後、Z嬢と芸術中心にて映画『情色地図』(監督:陳燿成)観る。陳燿成の映画は初。南Y島(Lama Island)を舞台に舞踏家とNYより戻りしビデオジャーナリストが恋におち南Y島modeのアート系少女とアイデンティティ求める物語なり。南Y島といえば桃井かおりが出演せし『有時舞跳/The Island Tales』なる映画あるがこれも含め「ラマ系」と呼ぶこと可な一連の「香港にしてはアート系」作品。ラマ系、桃井かおりと思えばふとこの作品『もう頬杖はつかない』を思い出し、この『情色地図』も東陽一が監督したら、と思いしものの、ノリはどちらかといえば藤田敏八監督の『エロスは甘き香り』(1973年)にて桃井かおりを『もう頬杖は……』で知り桃井かおり主演のこの日活映画『エロス』を観たく上京して予備校の夏季講習の最中にサボり目黒のウエストにて何故か一人珈琲を飲みつつ(何故に17才の高校生がウエストを好んだか我ながら不明)『ぴあ』にてリバイバル上映を探し堀切菖蒲園の映画館まで足を運び500円にて『エロスは甘き香り』『愛のコリーダ』『エーゲ海に捧ぐ』という「エロ映画三本立て(笑)」を観たる記憶。成人映画なのにひとつも「そそられぬ」ことに怒ったエロ爺が桃井かおりの映る銀幕にブツブツ小言、17才の余はホモ爺に狙われ、かなりシュールな堀切菖蒲園であったがインターネットで検索せしもののこの映画館見当たらず。そう『情色地図』のラマmodeは『エロスは』と同じ空気と合点。小腹空き灣仔Stewart道の泉記にて魚旦米粉、美味。銅鑼灣にて雑用済ませ夜、Trailの有志にて某韓国料理屋。