富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月五日(金)曇。陽明山荘I氏より頂き日本橋は銀装のカステラを食す。随分と久々の銀装、こんなに甘かったかと驚く。早天朝日新聞を眺めれば大江健三郎君が9・11について語りテロル発生にあたり二人のアメリカの知友の声を聞きたいと願ったと語り始めるは文化帝国主義批判のEdward Said君と言語学者Noam Chomsky君の事にて大江君が互聯網にて見つけし英ガーディアン紙の評論を紹介。さっそく検索にて同評論を入手するがサイード君の書籍数冊を数年書架に眠らせていることを後悔。この時期こそ読むべき名著を。サイードパレスチナ人としての出自とイスラム並びに中東に関する知識とそして反帝国主義的な言動によりかつてはテロ専門の教授のように思われてもいたが実は欧米の外から欧米ismを見つめることのできる碩学。築地のH君よりアフガン北部同盟の領袖「パンジシールの虎」マスード師を長年に渡り撮影せし写真家長倉洋海氏のことを伝え来る。「マスードは自分にとって恋人のような存在だった」と明かし、肩こりの激しいマスード氏を時折按摩したという逸話を紹介(都新聞)。長倉氏はマスード暗殺を報じる電視の報道番組で発言を求められ泣いていた、とH君。この砂漠の思想には愛があると納得。世界が悪魔と呼ぶビンラディン師とて同じこと。悪魔とて魅力なければ囁きに耳を傾ける者なし。M氏と初更に銅鑼湾East Endにて地ale飲み南華會のbarにてErdinger飲む。ビンラディン師の生命を奪えば寧ろ泥沼化することが明白なものを。M氏は同郷にて最初にお会いして六年、度々飲むようになりM氏家族とも意気投合し三年か。会社の会食に合流するM氏と別れ金曜日の夜というのに遊行する覇気もなく二更を待たず帰宅す。Z嬢が勧められしSuper Oxygenated Waterなるものを試飲、高純度にて口に慣れぬ異常な丸やかさ。互聯網の某網站にて通信販売を申し込めば合州国の網站にて国名選択の際に合州国が最初にあり次からabc順にてアフガニスタンより始まり両国並び意味深。来週水曜の競馬の話をしては馬に笑われしもののHAPPY VALLEY TROPHY 1200mにはIndigenous、Oriental Expressと普段快活谷には参戦せぬ歴代の名馬に4冠4亜1負の四歳馬Winning Counterなどが挑み好取組を期待。