富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月九日(金)曇。夜の映画に出かける前にZ嬢とどこで食事しようかということになりケイン道より西環まで黄昏時に散歩、劉健威氏をマネしたわけではないが両晩続けて桂香街の坤記、白鱔飯保火、南仔蓮根保火を食すが秀悦さに昨日にもまして納得す。油麻地の百老匯戯院にて蔡明亮監督の『青少年哪托』、蔡監督の処女作にて92年に普慶戯院にて観ていたが当時は蔡監督も李康生も知らず単なる青春迷走映画と理解せしが今回観れば父子愛(父は苗天)、主人公の李君の理想型としてのオイディプス的青年像(陳昭榮)とその理想型に憧れながらも父の仇にと敵撃ちする、かなり希臘神話的な葛藤。蔡監督の作品は『青少年那托』、『愛情万歳』、『洞穴』と、これで残すは『河流』。