富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月四日(日)快晴。マスケス『百年の孤独』読了。預言者にすでに綴られていた、無から始まり無に帰還す一族の物語、その構成は単調なのだが、物語られるストーリーの一つ一つがどれもこれも文字列から映像が目に焼き付くほどの鮮烈さ、見事。昼に山頂にトラムであがり山頂公園にてヘンリー=ミラー『北回帰線』読むが、清々しい天気と芝生にてワイン、この環境ならと思ったが、マルケスの後にこのパリの放蕩物語は受け付けられず、放棄す。誰が書いていたのか、日曜日の夜というのは不安定で夫婦喧嘩であるとか諍い事が多いとか、日曜の晩は靴磨き、爪手入れ、明日仕事に使う鞄に必要な物をきちんと用意、上等な酒、音楽とか、そういうもの必要か、と思う。春先に一度、羽虫が湧く日がある、名前も知らない、かなり生命力の弱い羽虫だが大量で、数年前にPeel街に住んでいた当時は、あまりに沢山湧いて、それがバルコニーのサッシ硝子の隙間から部屋のなかにまで流れ込んできたこともあったが、今夜はその夜か、ここはかなり高台だが一匹が窓に留まっている。