富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-02-17

農暦十二月廿九日。晴。昨晩の霧霾うそのやうに春節待たず春の如き陽気の一日。名刺をば鳩居堂謹製にほひ粉敷いた箱で寝かせて名刺に香りつけ。名刺さし上げて誰が気がつくのか程度の残り香だが。晩に湯豆腐。PodcastTBSラジオ荒川強啓デイ・キャッチ!聴く。毎日午後この時間に時事ネタ取り上げ歯に衣着せぬ、今の自粛と体制翼賛体制で貴重な番組。今週は特番で昨日(月)が宮崎駿先生が

世界的な無秩序がこれからさらには起こってくると思うんです。そういうときに、安倍さんの言っていることはシンプルすぎる。そういう懸念は僕はもっています。(略、安倍首相は)もう少し腹になんか複雑なものをかかえて、何かをやらないと……。

と。御意。そして「そのとき平和憲法がとても役に立つんですよ。「俺たちはこの憲法を守らなきゃいけないんでね、そっちにいきたくてもいけないんです」ってね」と確かにその通りだが(それが戦後の自民党政治)晋三は死んでも、このスタンスはとれまひ。サザン桑田の謝罪と言論萎縮についても「愚かな奴は自粛するだろうし、自粛した程度のものしか考えないで発言したんだろうなと思うんですよ。それほど、それが世論の大勢を占めているんでしょうか?僕にはわからないんですよ」ときっぱり。「自粛するくらいならハナからやるな」は表現者としての矜持。さらに作家・百田某について戦争賛美は

それがいちばん楽なんです。そうやって総括してしまうのが。そうすると、そこからいつまでたっても抜けだせないですね。自分たちの歴史に対するものの見方もそこから抜け出せないです。もうナルシシズムなんですよ。

……と宮崎先生さすが。続けて今日の外務省の憎まれっ子・孫崎享さんのも聴く。このあと金曜日のピーター=バラカン師匠(聞き手は宮台先生)まで、今どきのご時世、TBSこゝまで踏ん張るか。朝日とNHKについでTBSも体制翼賛体制で祭り上げかしら。
▼今回の曽野アパルトヘイト舌禍まで「曽野綾子三浦朱門という作家と結婚して三浦綾子になった」と信じていた御仁あり。いずれも耶蘇(天主教と新教の違ひはあるが)。
▼僕は絶望しているんですよ。こんな時代がね、生きている間に来るとは本当に思わなかった。絶望の中にあってどういう抵抗の方法があるのか目下思案中。一時でも長く戦争のない時間を延ばすことが最低限の知性であり抵抗であろうと思う。正直に書くしかない。なかにし礼(76)
▼集合としての日本人の一面は「神話をつくって勝手に熱狂しやすい人たち」。神話はいつしか「空気」となって私たちを縛り、駆動してきた。皇国、不敗、成長、土地……の神話。「空気を読む」は同調圧力、戦争も「空気に抗えなかった」。井上亮『熱風の日本史』に赤坂真里による書評(朝日)
▼(短歌について)暴力や性行為に結びつくようなものはタブーですから。そういうこと、やりにくいねえ。80年代までかな、そんな話ができたのは。朝日新聞NHKも自制するからいけないんじゃないの? ぼくなか、やや露骨な歌をつくることもありますけどね。歌人岡井隆(87)