富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-07-27

農暦七月初一。朝から幾度となく驟雨。いつまで待つても仕様がないので雨のなかジョギング。猛暑で汗びっしょりよか心地よい。昼にそうめん茹でて食し午睡。昼酒。珍しく大相撲の千秋楽眺める。晩に残り物の乾酪など食す。Terra Vega Reserva Chardonnay 2012年飲む。今ころになつて漸く岩波『世界』5月号、特集「集団的自衛権」読む。
▼帝劇夏のミュージカル『ミス・サイゴン』で市村正親休演の由。母からのメールで知る。オペラやミュージカルなど所謂「歌ふ芝居」苦手なアタシは大市村の舞台も一度の見たこともなし。畏友・久が原T君の絶賛もあり重い腰上げ漸く生まれて初めてのミュージカル(正確には小学低学年の頃に舞台劇のミュージカル仕立ての「ひょっこりひょうたん島」以来か)で市村正親の『ミス・サイゴン』を見よう、とT君通して母の分と切符調達して貰つたのに残念。ところで東宝ミス・サイゴンの公式HPだが市村休演知らせるページで「市村正親からのメッセージ」とあつて「今後のエンジニア役は、既に同役を演じている駒田一に加え、筧利夫が務めさせていただきます」から始まり下に読み進むと「なお、本件によるチケットの振り替え、払い戻しはございません。何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます」となる(こちら)。えっ、市村本人がこんなこと言うの?と思つたら「市村正親からのメッセージ」は、その枠をクリックする必要ありとは……。東宝的には、まず市村休演を述べ、次に市村本人からのメッセージを伝へ、その上で代役は誰、で最後にチケットは払ひ戻ししません、と展開したいのだらうが、それなら市村のメッセージを別頁にしなくてもいゝのにねぇ。
▼岩波『世界』五月号。河野洋平は「平和への決意を再確認せよ」で「現在の自民党の擁する多数の議席が、それにふさわしい国民の信頼や支持に基づいているわけではないことを決して忘れてはいけないのです」。今では自民党の良心・村上誠一郎議員曰く「安全保障というのは、どれだけ見方を増やし、敵を減らしていくかということが基本で、敵ばかり増やしていてはどうにもなりません」。『永続敗戦論』の白井聡先生の「おもしろうてやがて悲しきアベノクラシー」が面白い。まさに対米従属構造の「戦後レジーム」で戦後保守政治が「戦後を終わらせる」といつた観念弄ぶことができたのは「それを実行しないかぎりにおいて」だつた、と。御意。そして汪暉先生(清華大学)の「政治と社会の断裂」は秀逸。中国で無産階級や人民に対しての政党の「代表制の断裂」、中共に見られる政党の国家化、メディアの権力化……などから「政党の終焉」と「脱政治化する政治」論じてゐるのだが、このポスト政党政治下での立憲政治をどうしていくか、といつたテーマはけして中共ばかりのことに非ず。

世界 2014年 05月号 [雑誌]

世界 2014年 05月号 [雑誌]