富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日本をもう一度元気に、と晋三

fookpaktsuen2013-05-25

農暦四月十六日。今日も十時頃に黄色豪雨警報発令の大雨。昼すぎまで。その雨のなか官邸で残務整理。夕方、西湾河。電影資料館で嘉禾の懐かしい映画特集あり吴宇森監督の『八彩林亞珍』(1982年)見る。吴宇森のコメディ映画も珍しいが実質的には蕭芳芳がプロデュースから主演、役者の人選まで取り仕切り、器量悪ければオッチョコチョイで何かと騒動起こす主人公の林亞珍役で「あの蕭芳芳がこゝまで?」といふ見事な?お笑ひ演技見せる。亞珍に恋する、これまたドジな相手役に許冠英。お笑ひのネタはけして良くないが蕭芳芳の天才的な上手さが何にも勝る。かなり無理な展開だが解雇続きでいろ/\な仕事転々とする亞珍が財閥系企業でオーナー社長の老父(創業者)の面倒見る仕事に就き、この社長はどうにか父の莫大な財産を独占したく自分が用意した遺言状に父の署名がほしい。息子の悪だくみ気づいてゐる父は頑なにそれを拒否するのだが……で亞珍が大活躍。その企業・沙達集団が香港の土地を買い占め企業買収し、で覇権ぶりがまるで今日の財閥系企業彷彿。住宅立ち退かされ企業買収され……の市民が憤り、とまるで今日日の香港のやう。で無理な展開で紅磡の海底トンネルで精神異常の放火魔が起こす事故であはや大惨事となるのだが、事故に遭遇した市民らが鬱憤晴らそうとトンネル占拠でお祭り騒ぎ。なんと30年後の市民運動の如し。この先見性に今かなり驚くばかり。羅文がトンネル内に突然現れ一曲披露で特別出演。Z嬢と待ち合せ景福茶樓に飰す。明記糖水で雪糕榴槤小丸子頬張る。
▼日経主催の「アジアの未来」フォーラム。一昨日の東京市場暴落でも昨日の日経の一面トップ記事は、このフォーラム開幕と新加坡首相の提言なのは有繋、日経さん。マスコミが株価暴落をセンセーショナルに語る必要はない、といふわけ。でこのフォーラムに参加した晋三。

わが国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し、多大の損害と苦痛を与えた。そのことに対する痛切な反省が戦後日本の原点だった。そして過去60有余年、私の国は自由と民主主義、基本的人権、法の支配を、堅固に守る国柄を、うまずたゆまず育ててきた。

って、いつからアンタの国になったんだい日本は、晋三さんよ。憲政の基本の基も解らず、96条改定に熱心なアンタに「法治」語る資格なし。

不況は人々をうつむかせる。なかでもデフレは人々の希望と期待を直接むしばむ病気だ。将来を悲観し、内へ閉じこもる日本人を育ててしまうなら、世界に対する責任の放棄になる。もう一度、頼りにされる日本を取り戻さなくてはならないと思ったことが「アベノミクス」をやりたいと考えた大きな理由だ。私の役目は、日本を未来を向いて力強く歩いていける国にすることだ。ダイナミックな融合を遂げつつあるアジアで、活力あるメンバーとなるよう日本を生まれ変わらせることだ。おごらず、威張らず、しかし卑屈にも偏狭にもならず、経験を与えるにして寛容、学ぶにして謙虚な一員となるよう、日本をもう一度元気にすることだ。

と晋三。元気なのはアンタだけ。よくも恥ずかしくもなく、無知の成せるワザ。好況=インフレで元気蘇生した日本人が世界たのめに責任ある地位で役割行使って萎えてゐる草木が雨で少し元気を取り戻した程度でよく言ふわな。もつと具体的に解決しなければ問題が国内には山積みなのに。で放言のアトはミャンマー旅行。今日、明日が人生最良の日々か。
▼昨日の日経の社説「市場急変に振り回されず日本の信頼保て」には驚いた。これほど魔値(マネー)の時代に市場の急な動きに動揺せず保つ信頼なんて無理なことは中学生でもわかるが、それを「こうした株式市場の動揺を静めるために大きな役割を果たすことができるのは、政府や日銀ではなく企業」とするのが有繋、日経さん。「今の日本企業はリーマン・ショック後に合理化を進め、円安にも大きく助けられた結果、業績が著しく回復している。上場企業の約半分が、手元資金で負債を完済できる実質無借金の状態にあるなど、財務体質も良い。企業がこうした強みを投資家に訴えていけば、今後も株価が大きく下がり続けるとは考えにくい。」って円安での額面上の財務状況好転ですかなく、それを業績回復と呼ぶのは烏滸がましいし、こんな程度で強みと思ふほど投資家も馬鹿ではない。リーマンショック後の合理化ってリストラはしてみたが体力もなくなつた企業も少なからず。「さらに豊富な手元資金を配当に回すのか、M&A(合併・買収)などの成長投資に回すのかといった方針も示すべきだ」ってせっかくのこの企業の春で資金を配当に回す芸当が日本企業にあるはずもなくM&Aは当然、新興市場での海外企業でマネーも海外に放出される。こんな時期にそんな状況で「長期保有の株主を増やしていく重要性」説ひて、だうなるのかしら。