富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

泉鏡花『日本橋』小村雪岱装丁

辰年十月初五。摂氏8.6/15.8度。曇。

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昨日、益子の古書肆内町工場で買ひ求めた一冊が泉鏡花日本橋』。大正3年発行(千章館版)を昭和57年に日本近代文学館から「特選名著復刻全集」の一冊として復刻版発行されたもの。


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小村雪岱(明治25~昭和15)の装丁がまことに美しい。これが他の数冊と「復刻全集」で並んでゐた。これが入手できてまことに嬉しいかぎり。


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昨日、益子の〈知床窯〉で古式三島の復刻については昨日の日乗に書いた通り。そこで窯の二代目圭一さんから直接譲つていただいた、古式三島創作過程の試作の茶碗。まだ未完成のbrutなところが野趣だらう。(画像右)濵田窯長屋門で開催されたHIBARI ARTの会場で購入した二点。

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身の回りのものかたづけてゐたら20年以上前に巴里で購入したLaFontラフォンのメガネが出てきた。当時の強い近視用で老眼が進み(近視が随分と改善されて)使はなくなつたもの。デザイン的には気に入つてゐたのでダイニングから居間の先にある小さなテレビを見るときのため(それでも原状では度が強すぎた)レンズ交換のため近くの老舗のメガネや(クロサワ)に持ち込んでみたところアセレート素材のものでレンズ交換に対応できるのは(フレームを熱加工できるのは)10年あたりが限界で、それ以上前のものだと素材の劣化でフレーム割れる可能性もあり、その場合にレンズを乱視補正などで誂へてゐた場合、フレームの事故でもレンズ注文の費用が発生するのでレンズ交換お勧めしないと細かく説明された。これはもう近い将来の遺形見にすべきか。

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若い友人のT君が「ぜひ飲んでもらひたいお酒があるんです」と一升瓶から一合ほどだけ分けてくれたのが、こちら。久米桜[ カルシス ]民族の酒 - きもと純米原酒 火入
もはや日本酒だとか何だとかカテゴリーはどうでも良いだらう。酒を分けてもらつた水筒から一口テイスティングしてみて、これはフルート型のグラスで飲むべき、と思つてBaccaratのシェリーグラスに注いでみた……なんとなく檀ふみのやうなテンションの書き振りになつてしまつたが、このグラスに注いで正解であつた。

▼一昨日のInterFM“バラカンビート”に濱口祐自出演。崇高さ。そして(良い意味で)トークのとりとめの無さ。勝浦言葉とでもいふのかし、で饒舌。その言語化を止めたときのギター演奏の崇高さ。ご本人は「得意の弾き逃げ」と笑ふ。

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米国大統領選挙。「まさか」なのかトランプ復活だが「かうなるだらう」と思つてゐた通りの結果。この大統領選挙に手順に則り候補者指名選挙のやうな制度で真っ当な候補の擁立すらできなかつた民主党の限界。リベラルのポピュリストに対する敗北。これを克服することはできないだらう。

Opinion | Why Trump’s Supporters Should Also Be Wary if He Returns to Power - The New York Times

Sometimes, however, erstwhile supporters end up punished simply because they were on the wrong side of an internal power struggle.
In sum, America may be about to become a very grim place. And those imagining that their lives would simply go on as before, untouched in any major way by the potential fear and chaos, are making a big mistake. - Paul Krugman