富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「自由」って書けばいいんだっぺよ(期日前投票)

辰年九月二十日。気温摂氏12.9/24.1度。晴。

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家人から今朝の香港の画像が送られてきた。なんで朝早くから路線バスで香港島の山越えをしてゐるのかしら。それにしても見た目は昔のまゝの香港。


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そして昔からの知り合ひの猫たちが迎へてくれる。香辛料屋(源興香料)の店猫は代替はりしてゐるが鰂魚涌の電気屋の「すきまちゃん」はだいぶ年老いたが家人のことを覚えてゐるやう。

本日は市役所で衆院選期日前投票比例区の投票用紙を書いてゐたら隣にゐた70代くらゐの女性が先に投票箱のところに行つた男性に「おとーさん、これ何なの、何を書くんだかわかんねーよ」と声をかけた。夫は「何でもいいんだよ」。何でも良いとは……何のために期日前投票にまで足を運んだのか。続けて夫は「自由とか二文字書けば何でもいいんだっぺよ」。で妻はそれに従ひ「自由」と書いてのだらう。こちらはこの状況に思はずフリーズしてしまつて彼らの行為を整理してみた。夫妻はこれまで盲目的に自民党に投票してきた。それで今回も地方区は自民T候補、比例区自民党に投票するために期日前投票に。たゞ比例区で政党名記載するルールはわかつてゐない。「自由」では今回は無効票だらう。思はず「自由ぢゃダメですよ、自民党ぢゃないと」と教へてあげたかつたが投票所内で誰かに特定の政党への投票を促すやうな行為はダメ。今回の選挙は自民党は1票でも票がほしいところ、これで折角の2票は死に票、自民党候補が比例復活当選を期す場合も本当に勿体ない……。それにしてもこんなレベルで国政が動いていくとは。夫も夫だが何を投票するのか、もわからない妻が夫に従属して。日本の縮図そのものでせう。

ジャニー喜多川が築いた“アイドル帝国”の実像に迫る | NHKスペシャル

米国羅府にて高野山別院開教師の子としてメアリーとジャニーが生まれ戦時中は日本に戻り戦後また米国に渡り朝鮮戦争の頃……と二人が東京に戻りジャニーが少年たちの野球チーム結成して、それ少年たちが「ジャニーズ」としてデビューして、といふ話から始まり「これはジャニー喜多川ファミリーヒストリーか?」とすら思へたが番組内容は段々と生々しいジャニーの少年を餌食にする話へ。池袋の名和プロとの関係決別あたりは当時を知る元演歌歌手なども出て生々しい内容だつたが「ジャニーズ」のデビューに関して渡辺プロの傘下でのスタートであつたことについては触れず。またジャニーズJr.の元メンバーが当時のスタジオ再訪してインタビューに応じる場面ではジャニー喜多川がほゞ占有してゐたそのレッスンスタジオがNHKの局内施設であることも番組では触れず。

局内で性加害とNHK報道 ジャニー喜多川氏が高校生に - 日本経済新聞

それでも初代「ジャニーズ」の中谷良(個人)の姉がインタビューに応じて現事務所(スマイルアップ)の補償部長との電話でのやりとり(相手はこれが番組で取材もされてゐる通話だとは知らず)があり生々しい内容に。

NHKスペシャル『ジャニー喜多川』ラスト7分間の衝撃 “雪解けムード”ぶち壊した「報道部の覚悟」 | FRIDAY

さらにNHKのドラマ制作から理事にまでなり、それからジャニーズ事務所顧問だつたといふ若林久朗へのアポなし突撃路上取材とは。古巣であるNHKのこの週刊誌のゴシップ記事のやうな取材には動揺を隠せず。そりゃさうだらう。

NHK理事からKADOKAWA・ジャニーズへ 異例の移籍の背景:朝日新聞(後藤洋平)

この朝日新聞の記事でもこゝまでノーテンキに持ち上げられてゐたお方なのだ。そして番組最後は無言のこのコメントだつた。紅白歌合戦に元ジャニーズ連中の復帰か?といはれるタイミングで、この番組はいろ/\な憶測にもつながるところ。

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この「ジャニーズ」番組に続き、こちらも続けて見た。

映像の世紀バタフライエフェクト バブル ふたりのカリスマ経営者 - NHK動画配信

セゾンの堤清二ダイエーの中内㓛の二人、その経営の成長期からバブル、その凋落までを追つたドキュメンタリー。「バブルは二人をどう見誤らせたのか」といふ視点なのだけれど二人はけしてバブルの被害者ではないだらう。経営を見誤つたのだから結果、経営者としては落第なのだ。しかも堤清二は父親(康次郎)の土地開発と資本価値の生産といふ作法を批判しながら結局それを同じ轍を踏んでいつたわけで文化人といふペルソナももつことで自らの逃げ場もあつて失意のなかで最期を迎へることになつたとは儚いもの。