甲辰年九月十七日。気温摂氏19.5/27.9度。東京は30.1度で観測史上最も遅い真夏日。薄曇。
ご近所のファミマ(水戸大町3丁目)は入り口にいつもファミマのその時々の「売り」の商品がオブジェとして飾つてある。ファミマのオフィシャルではなくオリジナル。しかも手仕事でさま/\な材料を使つて。店長のお母さんが始めた、といふやうな話を聞いたのだけれど段々とそのレベルが高度になつてゐて今日のファミチキはその大きさと精緻さに驚かされた。
夕方から家人と瓜連あまや座に出かけて映画〈箱男〉を見る。映画『箱男』official site
20世紀末にこの映画制作でクランクイン前日に資金の関係で制作が頓挫したといふ曰くつきの作品。安部公房生誕100年に合はせての27年ぶりの作品完成となつた。確か当時、監督は石井聰亙だつたと記憶。
この記事を読んでこの映画の監督、石井岳龍って誰?同じ「石井」で聰亙監督の倅?と思つたら聰亙監督が岳龍と改名してゐたこと今日まで知らず。〈狂い咲きサンダーロード〉に〈逆噴射家族〉など寡作だが印象に残る聰亙監督。この〈箱男〉は原作に忠実といへば忠実なのだけれど原作では「本人」に何ら個性がないのに映画では「本人」が浅野忠信であるから強烈な個性そのもので原作の無機質なところが、まるで東映の任侠モノのやうに役者=登場人物。箱男と贋箱男との対決も箱を被つた二人が実際に「バトル」なのだからB級ホラー映画のやうで何だか笑つてしまつて。それはそれで作品としては面白いのだけれど。原作を読んでゐない方のほうが楽しめるかもしれない。
映画が終はつて19時一寸すぎ。那珂市の蕎麦処(だぼう)のL.O.前ぎり/\に飛び込む。さすがこの時間になるともう客は二組。その客たちの帰り際、女将さんの「ごめんなさいね、お待たせしてしまつて」と聞こえたから夜は夜で結構な混み具合だつたはず。アタシたち二人の食事量は天ぷらは二人でシェア。まことに美味しい白子の天ぷらと海老シンジョを追加で。自動車で来たのでアタシだけお酒(福来)。店終ひで帰りがけにご亭主と女将さん出てきてくれてアタシが店頭にあつた〈TBSラジオプレス〉を手にしてゐたので暫しTBSラジオ談義。やはり武田砂鉄。砂鉄さんも朝の森本毅郎さんもやはり番組冒頭のトークこそ面白い。アフター6は聞いたことがなかつたが宇多丸さんの木曜日だつたかの映画評が面白い、と女将さんに勧められる。