富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

横須賀から根岸、鶴見

辰年七月晦日。気温摂氏24.9/34.4度。また酷暑にもどる。青春18きっぷ(9月10日まで)で残り2。家人と関東日帰りで本日は神奈川へ。横浜線、相模線もまだ未踏なのだが横須賀線は鎌倉迄で逗子、横須賀から久里浜は未だ。根岸線京浜東北線の流れで横浜から石川町は乗つてゐるが石川町以西の大船も未だ。そして何よりも鶴見線といふ聖地があるではないか。これを水戸からの日帰りでどう乗りこなすか。鶴見線を効率良く攻略するには朝か夕方からの通勤退勤が狙ひ目。そこで久里浜まで行き、そこから横須賀→大船→鶴見といふ予定を立てる。不勉強だつたが鶴見線の浜川崎からは南武線支線があつて川崎方面に出られるではないか。

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普通列車のグリーン料金が値上げになつて常磐線でも水戸から東京だと特急料金より高い!ので普通列車グリーン車を全く使はなくなつたが横須賀線まで乗り継ぎでグリーン車で行けて料金は100km以上の1,550円なのである。本でも読んでゐれば良い……が常磐線の高浜〜神立の区間で下り列車が異音のため緊急停車の安全確認で上り列車も運転見合はせ。18分後に運転再開。土浦で特別快速(東京駅10:04着)に乗換への予定が間に合はず。土浦で12分も停車するところを2分で発車で10分の遅れ取り戻したが東京駅(10:31着)では10:11発の横須賀線久里浜行きに間に合はず(先行する特別快速も10分以上の遅れであつた)10:39の逗子行きに乗車。逗子に11:40着で11:55発で久里浜に12:15着。予定より39分の遅れ。

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寂寥感漂ふJR久里浜駅から賑やかな京急久里浜へ歩き京急で横須賀中央へ。やはり京急であらう。
JR 品川06:09(横須賀線)07:14横須賀 55.6km 所要時間65分 950円
京急 品川05:44(特急)06:34横須賀中央 49.9km 所要時間50分 620円  
これでは京急の方を誰だつて選ぶはず。それでもJR横須賀線から横須賀軍港を一望する景観は見事。

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横須賀といへば「横須賀海軍カレー」といはれる。元々は明治の海軍にカレーライスがあつたらしいが平成になつて(平成11年といふから21世紀である)この海軍カレーを横須賀の名物に!といふ動きがあり、それが成功して今では「横須賀といへば海軍カレー」になつてゐる。海軍カレーで評判の飲食店も多数あるやうだが観光客らしく横須賀中央の駅からすぐにある「本舗」へ。


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昔懐かしい昭和のカレーといふ感じ。それ以上、それ以下ではない。このビーフカレーにミニサラダと牛乳がついて1,600円以上もする。会計の際に「お会計が2,000円以上なのでシンちゃん人形プレゼント対象なんですが」といはれ何だかわからないが貰へるものは貰はうと貰つてみたら南無三寶、小泉進次郎のマスコット人形ではないか。


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確かに横須賀が地元。こんなものを配って選挙違反では?と思つたが衆院選挙もなく自民党の総裁選立候補は公職選挙法も関係はい。この横浜海軍カレー本舗20周年で昨日(9月1日)から2,500個限定でプレゼント中。家人がメルカリに出したら1,000円ですぐに売れてしまつた。ファンがゐるのだ。

旅先では郵便局で風景印を押してもらふ郵趣もあるのだけれどスタンプ一つにハガキの郵便料金63円も取られるわけで、これが10月からは85円になるのだからとてもやつてはゐられなくなる。鉄道駅のスタンプならタダなのに(切手の消印だから致し方ないが)。


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横須賀市外の昭和の戦後感が凄まじい。路地が多く飲み屋密集。うらぶれ感もたまらない。ドブ板通りも歩いてみる。月曜の昼間なのでとても静か。夜になるとそれなりに賑はふのか。もつと薄汚れた印象があつたがとても整備された通り。これでもか、といふ米海軍基地の威圧感。軍港の方に出てJRの横須賀駅へ。


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横須賀線で大船。何となく乗客のセンスが良く見えるのが横須賀線。逗子あたりで買ひ物の奥さま。北鎌倉から乗つてきた男子高校生(鎌倉学園か)もフツーの白いシャツ姿なのだけどヘアスタイルから雰囲気まで湘南のさわやか。大船で根岸線に乗る。これほど谷間を走るのかと驚いた。うと/\してゐると京浜東北線で鶴見へ(所要時間42分)。


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鶴見は湘南ではない。少し時間があつたので沖縄タウンへ。NHKの朝ドラ「ちむどん/\」では鶴見駅からすぐのイメージだつたが実際には鶴見川を渡つてそれなりに歩く。本町のシャッター商店街ではブラジル系?のグループが午後の陽気な酒飲み。

沖縄タウン鶴見マップ(2023年4月発行) 横浜市鶴見区

沖縄タウンと呼ばれるエリアの仲通りを歩く。沖縄といふよりポルトガル語の看板も目立ちブラジル系の住民が多い。


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市バスで鶴見駅に戻る。鶴見線。こゝからは1本の列車もミスが許されない。


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鶴見駅の次は国道駅。この駅も鉄道ファンには「聖地」なので予定より1本前(10分前)の電車に乗つて国道駅へ。


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昭和5年に開設からほとんど改修もされておらず。無人駅で利用者も少なく昼間でも薄暗く正直、怖い。男女共用のトイレなんで汚れてゐるわけではないが悪臭もひどく誰も使ひたくないだらう。


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鶴見駅を16:53に発つた海芝浦行きに国道駅から乗車。ホームにはもう1人だけ乗客が列車を待つてゐた。この時間でも夜シフトなのだらう通勤客あり。東芝の工場敷地内にある海芝浦駅に17:04着。

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天気は快晴で東京湾の眺めを楽しみたいところだが東芝の社員か来客以外は駅から出られず電車は4分後に折り返し。退勤の方々で3両編成の列車は空席もない。

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4分の乗車で浅野駅まで戻り少し離れたホームに向かひ今度は大川行きに乗換へ。どうやら1人の鉄オジさんがアタシらと全く同じプランで鶴見線を楽しんでゐる。鉄道ファンなら鶴見線のダイヤを見たら誰だつて夕方の、このコース選択になるだらう。浅野17:20発で大川に6分後に到着。3分後に折り返しなので駅舎の写真1枚撮るのがやっと。安善駅では次の扇町行きまで21分あり。工場はあるが駅前にはコンビニもない。駅前にまるで閉まつてゐるかのやうな酒店があつて缶ビールでも買はうかと入つたら店内は角打ちになつてゐた。工場から仕事帰りの皆さんが酔つてゐる。町内会の事務所を見たら寛政安善町内会とあり。地図を見ると安善町の隣が寛政町で住人は少ない工場地帯なので町内会は2つの町が合同なのだらう。寛政町なんて、まさかこの埋立地と運河が寛政期に?のはずもなく調べてみると昭和16年にこの名前(寛政町)に。なぜ寛政なのかしら。


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この時間から夜シフトの通勤者がかなりの数。大部分がブラジルやベトナムとかの外国籍。彼らなしではもう産業は成り立たないだらう。


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本日の鶴見線の終点、扇町へ。夕方の退勤時間なのだが乗客はいちばん少ないかも。


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この鶴見線は元々は埋立地の工業地帯、石油コンビナートなどを結ぶ貨物線でもあつて南武線から支線が浜川崎を経て鶴見線へと入る構造。浜川崎で駅も鶴見線とは実際には別々の南武線支線に乗り換えると南武線の尻手までに貨物列車2列車に出くわす。もう18時過ぎで南武線支線は浜川崎から退勤客多く尻手での南武線(本線)への乗換へはかなりの混雑。

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尻手駅から川崎駅まで1駅。川崎駅の南武線ホームがこんなに混雑してゐるとは。東海道線の上りで川崎から品川までわずか8分。品川駅構内で夕食のお弁当とお酒を買つて常磐線で水戸に戻る。「まい泉」でいつもカツサンドなのだけれど今晩はトンカツ弁当にしてワンカップの日本酒でトンカツを頬張る。

鶴見線は残念ながら1箇所も駅タグのスタンプはないのでした