富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

股旅堂書店より古書届く

辰年五月十三日。気温摂氏18.3/23.1度。雨(43.5mm)。四国から関東まで線状降水帯あり東京でも98mmを記録。北関東はすこし雨雲がズレて、この程度の雨で済む。早晩には晴れ間見える。股旅堂書店より目録から注文の古書4冊届く。


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河野通雄『不良少年の実際』(育成館、昭和3)は長谷川伸(1884~1963)の蔵書印ありの稀本。不良少年をどう更生させるかといふ熱意に基づく研究なのだが当時の時代的に健全といふものへの強い信念に基づく環境説で少年が不良になる条件として悪しき環境がどういふものでといふのを分析してゆくと雑誌や映画でも、どれは不良少年を作る元凶なのか、どれは健全かの分類が始まり、将又、活動写真の俳優らも健全と不良に分け、不良環境の徹底した排除となる。不良少年は保護され、保護施設での更生となる。保護施設では威勢に接触することが不可能なので愛慕の対象が男性となり倒錯性欲の行為に走る。

斯く思春期前後の彼らは、動もすれば此の欲求の奴隷となつて盲目的に行動し、従つて常軌を逸し、屡々意想外な事を惹起するのである。

また自瀆もさうした環境で生じる悪癖である。つねにこの方の分析には強固なる健全といふものがある。読んでゐる方が恥ずかしくなるほど。

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長谷川伸といへば股旅物得意で『瞼の母』、『一本刀土俵入り』や『沓掛時次郎』など確かに主人公は不良少年からの謂はゞ更生で、この書籍も参考程度に一読してゐたのかもしれない。

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大野一雄土方巽の60年代』の冊子は、この編集されてゐるMさんとは昭和末に面識あり親しくさせてゐたゞいてゐたこともあり懐かしく一読させてもらはうと入手。『茨城県職業別電話番号簿』は昭和23年の発行。市町村別で県庁所在地の水戸市から。官庁公団で県庁や市役所よりも筆頭は茨城軍政部(GHQ)。当時の電話番号は3桁。水戸の0番は南三の丸(水戸駅前)にあつたおそらく最初の公衆電話に宛がはれ水戸1番は逓信省の水戸の支局が確保するのだらうと思つたが(電電公社の設立は昭和27年)水戸1番と2番をゲットしたのは日本勧業銀行水戸支店。3桁は999で打ち止めになる直前で待合のムサシ(天王町)が948番で裡信願寺の千鳥が969番。この3桁までの番号が打ち止めになるとアタマに2がついて4桁に。ご近所の石山仏具店は748番だが、それが2478番になるわけで市内局番がつくと2-2478になり21-2478になり現在は029-221-2478である。うちは3275番を持つてゐたが、つまり昭和20年代半ばに電話債を得たはず。電話番号簿だけでも一晩は楽しめる。茨城県では当時、水戸、土浦に続き、下館、太田が商業で賑はつてゐたことが電話帳からもよくわかるところ。

季刊プリンツ21号(2003年春)特集:内藤ルネ