甲辰年五月十一日。気温摂氏20.4/29.9度。朝まで雨(4mm)のち晴。神田淡路町で調髪(The Gollum)。丸の内線で東京駅まで戻りBrooks Brothers(丸の内店)午前11時の開店で入店して取り置きしてもらつてゐたステキな黄色(ヘザーイエロー)の夏物カーディガン試着してサイズ確認して購入。
ほんとはメンズ阪急とか銀座松屋にあれば良かつたのだけれど、この色は販売の店舗限定で丸の内に寄つた次第。丸の内から歩く時間のゆとりもなく二重橋から千代田線で日比谷乗換で銀座。銀座和光4階へ直行。もう購入決めてゐた紳士用の長財布購入。父の日とは関係もない。
長財布もジッパー付きとか小銭入れではない、シンプルでカードが何枚か収容できればそれで良いのだがなか/\見つからず。ふと和光ならあるかも?とサイトで見ておいたもの。ダンヒルの長財布がだいぶ草臥れてしまつての買ひ替へ。2007年末に香港でタクシーに財布の入つた鞄を置き忘れて再購入のダンヒルの長財布を16年半使用。20071231 - 富柏村日剩 和光の皮誠品売り場で支払ひの際に店員に「これで15年以上だといはれるなら本当に良く手入れされてゐたんですね」とお世辞にせよ褒められゝば嬉しいもの。
観世能楽堂。お昼を食べる時間もなく木村屋であんぱん2つ購入してロビーで昼食かはり。それが今日は能楽堂で演目の〈三輪〉に合はせお土産に、と三輪そうめん(乾麺)やにゅうめん(即席麺)賣る特設の売店があつて、なぜかまい泉のカツサンドも売つてゐた。三切れのカツサンドだが三輪とは関係なささうだし能が武家の式楽だつたと思へば会場でも武家の出の方などには三切れは忌み憚られるかもしれない。本日は観世流ご宗家の〈三輪〉である。今春に国立能楽堂で友枝優人シテの同演目を見た際に村上湛君のまことに面白い解説を拝聴してゐる。
友枝雄人シテ〈三輪〉神遊@国立能楽堂 - 富柏村(20240420)日剩
この三輪といへばやはり思ひ出すのは一昨年末の大槻文蔵師シテのもの。亀井忠雄先生の大鼓。この半年後にご逝去となるとは。
このときの三輪がアタシにとつての高水準の基準になつてしまつた。本日は1列目5といふ、橋かゝりからこちらに向かつて動作が迫つてくるやうな席が入手できてまことにありがたいこと。三輪で福王和幸のワキ(玄賓僧都)その高尚さが降り注いでくるやう。本日はNHKの収録あり。御曹司が披かれる〈安宅〉とも/\放送されるのだらうが表現以前のところで三輪も安宅も舞台で些細なことあり後見がさっと直せばそれで済むことなのだがさうならずあれが映像記録として残つてしまふと思ふと残念。安宅では御曹司かなり緊張されてゐたがツレの九人の山伏の中でもやはりしつかりした動作と目つきまで立派なのは関根祥丸。強力役の野村裕基も印象深い。萬斎師は狂言〈清水座頭〉だが盲、かたはと表現のある当然これは収録なし。萬斎シテでは初めて拝見。清水座頭は2021年11月(橘香会)と昨夏(代々木果迢会別会)で万作師のこれを拝見してゐる。盲杖の突き方一つだけでも万作師のあの音が耳に残り、そして坐するときの地面が見えぬ座頭の足袋のなかでの指の動きまで記憶にある。ところで、これまでの万作師座頭での2回でアド(瞽女)は萬斎、中村修一と線の細い女を演じてゐて今回は高野和憲。
本日は正午に始まるまでも慌たゞしくしてしまつたが観世能楽堂を出たあともミッションあり。浅草まで出向いてサンボアで先日忘れた帽子を受け取らなければならない。それなら直行すれば良いのだが5時間近くお能を拝見してクールダウンが必要で銀座サンボアへ。ハイボール一盞でパイプを一服。これはルーティンなので外せない。銀座線で浅草へ。上野18時半の特急なのに17:55で帽子だけ受け取つて帰るのも野暮なのでサンボアで初めてビール一杯だけひっかける。さすが美味。先日は明るいうちから結構良い感じで酔っ払ってゐましたよ、と。お会計して帽子を渡そうとしたら、もう姿が見えず追ひかけたがたぬき通りで姿も見えず、だつたさう。まことにお恥ずかしいかぎり。