富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

J.D.サリンジャー『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる / ハプワース16、1924年』

癸卯年閏二月十七日。耶蘇受難節。気温摂氏16.4/22.8度。曇のち雨(4.0mm)。ぎっくり腰は漸く長く椅子に腰かけてゐたアト以外は痛みも感じないほどになつた。もつと早く医者に診てもらふとか鎮痛剤の服用をすべきだったのに、とにかく安静が大切で日が経てば治ると悠長に構へていたのがいけなかつた。一昨日通りがゝりで馴染みのパン屋に「明日寄るから5枚切りの食パン一斤取り置きしておいて」と言つてゐたのに昨日は腰痛と急な通院で午後6時のパン屋閉店時間に間に合はず申し訳ないことしてしまひ本日平謝り。昨日の食パン残しておいてくれたら、それを購入するのに「腰痛がひどいんだと思つてゐましたよ」と今日焼いた食パンを取り置きしておいてくれた。それくらゐ夕方には売れきれの人気のパン屋。

このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年 (新潮モダン・クラシックス)

午後から風が強まり(最大瞬間風速18.8m)大粒の雨もパラ/\降り始め地面がホコリ臭くパン屋から慌てゝ帰宅。J.D.サリンジャーこのサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる / ハプワース16、1924年』(新潮モダンクラシックス)を読む。今日この日記がこんな書きぶりになつてゐるのも、きつとサリンジャーの所為だ。だけど訳者には申し訳ないけど、この和訳はちょっとハマらなかつた。サリンジャーだとやっぱり野崎孝の古典的な和訳がいつまで経つてもイカしてるし、ムラカミハルキのシャレた訳もあるけど、やつぱり野崎か、それに柴田元幸の“Nine Stories”の訳こそいちばんサリンジャーの世界なんだと思ふ。たゞ野崎孝訳で一つだけ気に入らないのは『ライ麦畑でつかまえて』ってタイトルだ。これぢゃ“Catch Me in the Rye”だよ。あれは“The Catcher in the Rye”だから(ムラカミハルキはそのままキャッチャーインザライってカタカナ書きにしたけど)絶対に『ライ麦畑のつかまえて』がいいはずなんだ。捕まえ手って、ちょっと江戸時代の捕物帖で「御用、御用!」の捕り手大勢みたいだけど。それにしても、いつまでもホールデン=コールフィールドに付き合つていちゃいけないと思ふ。奴さんはあの世界から出られないまゝ戦争で行方知れずだしサリンジャーも奴さんを愛するがあまり、あれから隠遁生活を余儀なくされたんだ。だから僕は、もうサリンジャーは読まないしホールデンのことも思ひ出さないことにする、って決めたんだ。

……で、どうやって失敗を償うの? 免責。愚か者めがっ!

で、この法相齋藤某はそのウシュマさんの映像を具体的に何う勝手に編集されたか実見したのかしら。たゞ法務省の瑕疵庇ふために大臣の立場で弁明してゐるやうにしか思へないのだが。