富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

春彼岸の入り

癸卯年二月廿七日。気温摂氏7.8/15.2度。雨(35mm)。朝のNHK〈ウィークエンドサンシャイン〉でバラカンさんは“The Chieftains”の特集。家人が「無印良品」と言つたらチーフランズがもう無印の売り場のBGMにしか聞こえなくなつた。


先考の祥月命日は十日前だつたのだが春の彼岸の入りで改めて墓参。あいにくの雨だつたがお寺のお庭は手入れもよく雨は風情あり。墓参はお昼前としたのはお寺からお昼ごはんに行くタイミング。母のイチ推しの〈le Poêlon〉といふフレンチ(HP)に家人と三人で。


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泉町大通りの商店街でかつて澤畑さんといふ老舗の畳やがあつて(現店舗)外まで畳表が香ばしく店内での畳の表替への作業をよく眺めてゐたものだつた。その古い商家の建物を上手くリフォームしてのフレンチ。大通りの店舗(現在はDPE屋)の横からの通り庭のアプローチが美しい。


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前菜、スープに主菜まで量もお腹に優しくゆつくりといたゞきデザートまで二時間余。帰りは家人に自動車を運転してもらふことでワインもブルゴーニュの若いピノノワールとMas des Bressadesの何某を一杯ずつでお昼から良い心地。母にご馳走になつてしまふ。もうNHKのBSで大阪場所の大相撲が中継始まつてゐるのでアトは帰宅してテレビで相撲観戦で今日は終はりだ。大関貴景勝休場。大関横綱の不在は昭和以降で初ださう。関脇若隆景と前頭4阿武咲が結びの一番とは。 

Fasil Sayのピアノ演奏でバッハのゴルトベルク組曲を聴く。

岩波講座『能・狂言』Ⅲ 「能の作品と表現」について。昨晩読んだ備忘。能の「言葉」には散文と韻文あり。夫々に「候」体と(横道先生が称するところの)「ナリ」体あり。後者はナリ体といふより「非-候」体と呼んだ方がわかりやすいかもしれない。そして律韻の有無があり……とやゝこしいのだがワキ方が出てきて名乗リまで候体の散文で前シテがそれを受け非候体の韻文の言葉となり世界は現実から幽玄或いは冥闇なる世界にワープして七五調の定律になつてといつた変化、横道先生は〈敦盛〉を例にしてゐたが、さうした風に解説されるとなるほどとほんの少しだが解するところあり(分析なそんな単純ぢゃなくて、そこに地謡とかも絡んでくるのだが)。村上湛君が勤務校の大学生に機会設ける能の会で(それが文蔵先生や亀井先生、松田師なのだから恐れ入るが)湛君が学生と謡曲をきちんと読んでみる場にあつてから自分でも声を出して読んでみるやうにしてはゐるが、かうして文体の変化も少しでもわかればじつに面白くなりさう。今日はこの講座本ももう通読どころかページを捲るだけでⅣ「能の構造と技法」と別巻「能楽図説」を眺める。Ⅵ「能鑑賞案内」は一番組ずつ見る度に何かしらのテキストで勉強してゐるので今回は省略。他にⅤ「狂言の世界」とⅦ「狂言鑑賞案内」があつて全8巻(古書肆では今では8千円くらゐで出てゐた)。

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自称鉄ちゃんのアタシもよくわからない。相鉄と東急が相互直通運転の「新横浜線」本日開業。相鉄の羽沢横浜国大駅から新設の新横浜駅経由し東急・日吉駅までの約10キロだが海老名からの相鉄本線からの列車は主に東急目黒線通じて東京メトロ南北線都営三田線に直通。湘南台からの相鉄いずみ野線からは主に東急東横線通じて東京メトロ副都心線に乗り入れ。つまり東武東上線川越駅からは池袋、有楽町線の新木場、東横線の武蔵小杉、元町・中華街行きに加え湘南台行きが入線してくる。埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線浦和美園駅なんて行先がこんな数になつてゐるのだ。