富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

311から12年

昨日は飯田橋の警視庁遺失物センターあと水道橋でのお能の前にこれ

鍋島徳恭写真展〈二代目中村吉右衛門〉セイコーハウス銀座ホール

を拝見するつもりだつたのだが角筈の理容室に忘れ物取りに行つて銀座には出られず残念(21日まで)。

本日癸卯年二月廿日。気温摂氏4.4/17.4度。快晴。WBC野球の連日の盛り上がり。テレビの情報番組で「ヌートバーで応援も最高潮に」といふナレーションに酒を飲みながら実況中継見て皆で騒ぐ画像あり新種のスポーツバーを「ヌートバー」といふのかと思つたら日系人先週の名前。

311から12年。仏教でいへば十三回忌。

復興特別所得税の1%が防衛予算増税に転用される現実。政府は復興予算総額は減らないとするが根拠は復興税徴収期間を2050年代まで20年程度延長。何といふマヤカシ。なぜ震災のときに生まれてもゐなかつた若い世代にまでその負担が求められるのか。原発の耐久年数も延長。


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西新宿で何度か新宿郵便局の前を通つてゐたがやつと風景印を得る。昔の淀橋郵便局。

高村薫 「2015年秋を記憶する」安保関連法案の成立 岩波『図書』2015年11月号

少し前までこんな時代がほんとうに来るとは想像していなかった自分の、時代を見る目の無さに失望しながら、さまざまな思いに駆られる。
戦後ずっと無邪気に信じてきた議会制民主主義における民意の限界。憲法を歯牙にもかけない政治家が国会の圧倒的多数を占めている時代の現実。政治家がひとたび当選してバッジを付けたが最後、憲法も世論も、選挙公約も関係ない暴走が、いくらでも可能になる現実制度の欠陥。もっとも、そうした現実への無力感が骨身にしみる一方で、次の選挙を見ていろと悠長に構えてもいるのは、この期に及んでもなおも、安穏と生きていられた戦後日本の幻想を捨てられないでいるということだろうか。いまのところほかに代わるものがない民主主義社会の可能性を、未だに信じているということだろうか。