富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

板谷波山生誕150年

癸卯年正月初七。気温摂氏▲3.7/6.7度。晴。確定申告の準備をやっとこさ始める。高齢者なので医療費の集計がかなり数があつて面倒。寒いには寒いが天気も良いので笠間へ。県立の陶芸美術館。板谷波山生誕150周年ださうで個人蔵など今回初公開のものや百年も所在不明だつたものなどあり。随分と館内におひとも多いと思つたら敷地内に移築されてゐる波山工房で呈茶会の開催ださう。波山の茶器が使はれるのかしら。


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波山の葆光彩磁*1の世界に遊ぶ。

(参考)特別展生誕150年記念「板谷波山の陶芸-近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯-」2022.11.03 - 12.18(泉屋博古館)

この磁器の制作のために波山がどれだけの時間と材料調達の資金を費やしたことか。さらに本人が上出来と認め売れる磁器の数に限りがあり収入が得られず生活を圧迫。「帝室のマエストロ」といふタイトルは些か華々しすぎるがアールヌーヴォーの影響を受けた作品(帆立貝花瓶など)に目を奪はれるばかり。陶芸で身を立てる以前の東京美術学校の学生時代に高村光雲を師とした彫塑などもじつに面白く見る。168点。最後に遺作となつた昭和37年の制作途中の唐花文壺が波山の作業を待つかのやうに置かれてゐた。


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陶芸美術館で写真展も珍しいが京都の陶芸家・八木一夫のスナップ写真のテーマ展も面白い。


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陶芸美術館に来る途中で丁度昼時だつたが蕎麦〈柊〉の駐車場は満車。それが午後1時半くらゐにいつたらお客はお一人だけだつた。せいろのお蕎麦で家人と天ぷらはシェア。佐白山の豆腐やに寄り水府に戻る。土曜の午後に水戸も「郊外は」こんなに賑やかなのかとあばらかべっそんな道路渋滞。コロナ以前のやうでもある。母に豆腐と厚揚げを届ける。

NHKでもこゝまで「オネエ」を堂々と取り上げられるのか。それが「オネエ」といふ商品価値のある世界だからなのかもしれないが。はるな愛といふタレントが出てゐたが、この女性がオネエであることはこの番組を見るまで知らなかつた。「数々のオネエが「あの人のお陰」と口を揃えるパイオニア」としてカルーセル麻紀さまが紹介されてゐたが「おかげ」を「お陰」とすると何だか陰間のやう。

*1:器の表面に様々な色の顔料で絵付けをしたあと全体をマット(艶消し)の不透明釉で被ふ技法により従来の色絵磁器とは異なつたソフトで微妙な色調や絵画的・幻想的な表現が可能に。