気温摂氏▲6.0/8.7度。快晴。昨日が「十年に一度の寒さ」の極みかと思つてゐたらさにあらず。今朝のこの冷え込みには恐れ入り谷の鬼子母神。昼間は西南からの風で少し暖かく感じたが日陰の氷雪は溶けることもない。
野村胡堂から川柳で〈柳樽〉を眺めるつもりが時実新子編『日本の名随筆(別巻53)川柳』を通読。胡堂先生から始まる川柳にかゝはる名随筆で胡堂先生の次の佐藤愛子が圧巻。父の思ひ出でから加賀千代について。千代といへば「朝顔に釣瓶とられてもらひ水」だとか「起きてみつ寝てみつ蚊帳の広さかな」とかアタシでも知つてゐるが佐藤愛子の筆にかゝるとまぁ抒情的な世界が広がる。佐藤愛子といふとアタシの最初のこの方の印象はTBSテレビ〈素晴らしき仲間〉で狐狸庵先生とドクトルマンボウとの鼎談のまぁはちゃめちゃで可笑しかつたこと。調べてみたら昭和51年で愛子刀自と狐狸庵先生が53歳で北杜夫は4つ下でまだ半百前とは。その三狂人のなかで愛子先生だけが今もお元気で健筆を奮つてゐる。〈素晴らしき仲間〉で当時、美輪明宏、戸川昌子と色川武大ってのもほんと凄い番組があつたものだつた。
▼戦後の水府で発行されてゐた週刊雑誌「てんおん」全く知らずにゐた。戦前から水戸の実業界で活躍した中村はなを中心とした文化人の集まり。母や母と同い年の地元の物知りYさんからも話を聞いたが祖父も懇意にしてゐたさう。
週刊てんおんは水戸で昭和29年に刊行された。最初は中村家の個人雑誌だったが、発展して週刊誌になった。
— とらや書店 (@toraya310) 2023年1月25日
主として水戸とその周辺の文化人が執筆していたが、文化事業も行うようになり、棟方志功、武者小路実篤、中川一政なども寄稿した。全国的にも地方都市の週刊誌として有名だった。 pic.twitter.com/4nAP65d7zI