富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

宇能鴻一郎

陰暦十月廿七日。気温摂氏6.5/18.5度。晴。晩に雨(4.5mm)。

宇能鴻一郎甘美な牢獄』(烏林書林)私立図書館から借りて読む。

この記事を読んで久ヶ原T君と宇能鴻一郎の凄さをあらためて驚いた。官能小説の大家、宇能先生の本が図書館にあるのは、これがシリーズ「日本語の醍醐味」⑩だからで安吾、士郎、光晴や吉行、太宰に続き最終巻が宇能鴻一郎だから。「谷崎文学の正当な後継」(七北数人)。昭和37年に「鯨神」で芥川賞受賞した宇能先生の昭和41年から46年まで小説雑誌に発表された短編8本を収録。この本のタイトルにもなつた「甘美な監獄」は筒井康隆が昭和44年に編集したアンソロジー『異形の白昼』にも収録されてゐたさう。

この世の地獄を描いて宇能氏の右に出るものはあるまい。ただ、グロテスクなだけではない。説得力がある。時には郷愁によって、時には異国情緒によって、時には荒々しい破壊衝動によって、読者は否応なしに宇能氏の描くこの世の地獄に誘いこまれてしまうのである。(筒井康隆の編輯後記)

InterFM〈バラカンビート〉でマイケル=ジャクソンの“Behaind the mask”流れて映像を見る。YMOの楽曲で当時、ヨロシタミュージックのスタッフだつたバラカン氏が、この曲の権利関係の裏話を披露。