富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

水戸室内管弦楽団 第110回定期演奏会

陰暦十月初五。気温摂氏9/21度。快晴。本日は水戸室内管弦楽団(MCO)の第110回定期公演。アタシの帰国からは一昨年秋の106回(独奏は宮田大のチェロ)からもう5回とは。

このコンサートに信州長野からTさん来られて駅に迎へにゆくと駅北口の駐車場、乗降場がかなりの混雑。明日は3年ぶりの水戸黄門漫遊マラソン(笑)で前乗りのランナーとかも少なくないのかしら。水戸芸術館。母と家人もそれぞれ来てゐて通常通りの定員でほゞ満席。本日はモーツァルト。Sébastian Jacotでフルート協奏曲第1番ト長調K.313は彼の弾き振りならぬ吹き振りでまるで優雅にバレエ踊るやう。藤田真央でピアノ協奏曲23番イ長調K.488は第2楽章を3日前の「お別れ会」でオケの編成は少し小規模で演奏。本日は第1楽章から随分と小さな音でえっ?と思つたが左足ペダルかなり踏んでゐて同楽章後半のソロでも少し音をおとしてゐる。このくらゐの編成の室内楽団で、このホールのサイズならこれもありかしら。昨日とも曲の装飾が違ふらしい。第2楽章はやはり「お別れ会」のときの余韻があつて特別なそれと今日は全く違ふもの。楽団の同じ演奏者でもこんなに音は変はるもの。第3楽章はそれまで抑制してゐた音がはち切れんばかり。それにしてもモーツァルトもあばらかべっそんのMCOと藤田真央の23番となつた。後半は交響曲40番ト単調K.550番。ヴィオラや第2バイオリンの旋律がこんなにきちんと響くオケはやはり素晴らしい。指揮者不在もこのオケならありだが音の入りはよくてもやはり長いフレーズの終はりだとかホルンだとはいはないがリズム感に多少難があるとやはり指揮が要るのだらう。それもかうした小さな楽団で、となると小澤征爾なのだ。コーラスだとか小さな楽団がマエストロの存在で神様が降りてきたやうになるから。家人が先に地下駐車場から車を出して母がゆつくりと階段を降りてTさんと4人で裡信願寺の中川樓へ。白焼きでゆつくりと飲んでからうな重。良い音楽会のあと、その余韻でお酒を飲んで美味しいものを食べて……は幸せ。Tさんは本当は今晩、水府に一泊の予定が明日のマラソンでホテル激混み。前回1泊3,800円だつたホテルが今晩は15,000円の高値で水戸泊あきらめ普通の人なら、これで今晩のうちに信州長野に帰るのだがTさんサンライズ瀬戸の寝台車が取れたので(笑)瀬戸内国際芸術祭2022へ参られる。なんて素晴らしい発想よ。