富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

藍塔大飯店能樂堂定期能九月-觀世流-

八月廿九日。気温摂氏20.5(水戸)/ 25.8(東京)度。台風15号で昨日、浜松では280mmといふ豪雨となり新幹線が三島〜名古屋間で今朝も運休。水府は雨も少しで常磐線も平常通り運行。東京駅は新幹線改札が混雑至極。東海道新幹線以外の路線は全て!平常通りで動いてゐるのだから今日の連休中日に東海道新幹線に乗る予定の客はそりゃ東京駅に集まつてしまふ。新宿角筈で散髪。お昼ほんの少しの時間しかなく〈よもだそば〉で名物のカレーライスを飰す。確かに美味い540円。


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今朝から傘をさしてゐなかつたが渋谷の駅を出ると本降り。セルリアンタワー観世流で九月の定期能公演。2部構成でいずれも畏友村上湛君の冒頭お話がつく。それが楽しみ。本日のお能は〈花筐〉と〈杜若〉だが湛君の解説を聞くことで番組がより面白いものになる。20分の時間で寸分の狂ひもなく話をまとめるのは、もはや名人芸。

今日の公演もワキの宝生欣哉さん他が東海道新幹線不通で昨晩の京都での公演から戻れず代役を急きょ立てゝの仕立てとなる。〈花筺〉はまだ数回見ないと入つてこないかも。〈杜若〉はシテ(関根祥丸)の声もよく通り囃子方も大鼓・亀井忠雄、小鼓・飯田清一、太鼓・林雄一郎と笛・一噌隆之と立派な方々で〈杜若〉の序之舞の音曲の〈ボレロ〉のやうな繰り返しも鼓も笛もこんなに同じフレーズで音に変化を、それも杜若の精の感情に則すかのやうに奏でられるものなのかと驚くほど。本日の〈杜若〉は本当にストンと飲み込めるものであつた。勿論、湛君の解説を聴いてゐたのでかなり面白くなつたのだが。仕舞は高梨良一〈阿漕〉と山階彌右衛門〈實盛〉で、これも今日は最前列中央といふお席を当てがつてもらへてゐたので本当にきちんと眺めることができて幸せ。

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本日は東京も112.5mmといふ大雨だつたやうだがお能を見てゐる間が随分とひどかつたやうで夜7時にお能が済んで外に出ると雨ももう歇んでゐて湛君のお誘ひを受け能楽堂近くの桜丘町で会話も弾み美味しいお酒をいたゞく。水府は今日も雨は27.5mmと本当に雨が少ないまゝ。